ファシリテーションという言葉はご存じでしょうか。その意味は、簡単にいうと、場を進行していくこと。ちなみに、その進行役のことは、ファシリテーターといいます。
ボクは自分のことをファシリテーターだと捉えているため、それらの言葉を誰それかまわずに使ってしまいます。しかし、世間では、まだまだ認知度が低い。
例えば、Googleで検索したときに、「セミナー講師」のヒット数は約94,400,000件と表示されます。これに対して、ファシリテーターだと約2,660,000件、ファシリテーションになると約1,830,000件にまで低くなってしまいます。その差は、35.5倍から51.6倍。1億件弱と200万件前後じゃ比べ物になりません。ほぼ知られていないのと同じ。
実際、4、5年ほど前に、ボクが所属している組織で「ファシリテーション」とあちこちで話していたときには、「ファシリテーションって何?」と質問されたものです。そんなことを気にすることなく話し続けていたら少しは浸透したようで、最近じゃ、そんな質問もされなくなってきました。もしかしたら、こっそり検索しているかもしれませんが。
ファシリテーションは、会議のような場で意見が出やすいようにしていくこと。でも、意見を誘導することもなければ、自身の意見を言うこともない。中立的に参加者の発言を促し、また、守っていく役割。
現実の場で、目の前で繰り広げられる議論や検討を活性させていくもの。だから、ファシリテーションって物理空間の中でしか機能しないものと思い込んでいました。しかし、今日、読んでいた本で、それは違うことに気づきます。
その本とは、神田昌典サンの新刊『インパクトカンパニー 成熟企業を再成長させる、シンプルな処方箋』(PHP研究所)。昨日の講演会に参加する前に読んでおきたかったのですが、まとまった時間がとれずに、今日、読了。講演会の熱気が残った状態で読み進めていきました。
この本を読んで驚いたのは、書籍を通じたファシリテーションができるってこと。古い世代と若い世代とが分離している状態に対して、双方が手を取り合って課題解決に向かっていくことを促しているのです。
神田サンはこの本で、デジタルツールを活用することを薦めています。無料で使えるツールがあるため、積極的に活用することで顧客の真の課題を見つけることができるといいます。
しかし、設立して20年以上経っている会社では、経営層はデジタルツールに必ずしも明るくない。だから、戦略は立てられるものの、顧客がどう動いているかのデータを入手できない。一方、その若手はデジタルツールを使いこなしてデータを入手できるものの、戦略への活かし方がわからない。このように双方が分離しているため、話が噛み合わないといいます。
そこで、経営層がデジタルツールを理解することによって、若い世代との対話が進んでいく。それが成熟した企業を改めて発展させていく突破口になると説きます。このように書籍を通じて、古い世代と若い世代とを繋ぐファシリテーションを行っているのです。スゲェーの一言。さすが、神田サン。
そんなファシリテーションに促されて、ボクもデジタルツールを活用していきたいと思います。今年は年男のため、どちらかというと古い世代。でも、ファシリテーターを自認するなら、双方を繋ぐ役割を話していきたい。だから、自らデジタルツールに馴染んでいきます。まずは、音声入力を何とかしたいな。