Accounting

ブレイクダンサーがふいっと見る有価証券報告書

(記事にはプロモーションが含まれることがあります。)  

最近、甥っ子がダンス部に入りました。結構、強豪校のため、今年の文化祭を見に行くのが楽しみ。というのも、ボクも昔はダンスを嗜んでいたから。ボクのジャンルは、ブレイクダンス。

 ブレイクダンスは、日本では1980年代の中頃から流行りだします。普及のきっかけは、タレントの風見しんごサン(当時は、風見慎吾サンでしたね)。当時、出演していた萩本欽一サンの「欽ちゃんの週刊欽曜日」の中で、ブレイクダンスを披露したこと、また、同時期に発売した『涙のtake a chance』という曲の振付けでブレイクダンスを採用したことから、一気に、世間に広まります。そんなボクも、もちろん、ブレイクダンスにハマります。

 続くシングル『Beat On Panic』では、さらに楽曲もブレイクダンスも本格的になります。バックで踊っていたダンサーも、見慣れない技を続々と繰り出します。その当時、地元に来たときにも、もちろん駆けつけて、最前列で必死に技を学んでいました。そうそう、そのダンサーのうちボクが最も研究していた人のお名前が「タケ」さんでした。

 イマドキは頭を地面に付けてクルクルと回る技「ヘッドスピン」や、倒立して片手だけでクルクルと回る技「1990」なんて当たり前に繰り出しています。あれから30年で日本のブレイクダンスも格段にレベルが上がりましたね。

 当時は、そんな凄技は、海外のブレイクダンサーの領域。ブレイクダンスを扱った映画でみるような世界でした。日本のブレイクダンサーでできる人はレア中のレアだったかと。ましてや一般人なら、床に背中をつけてクルクルと回る「バックスピン」ができれば、もうブレイクダンサー扱い。

 ボクはブレイクダンサーを名乗っていたくらいですから、バックスピンは当たり前。それどころか、当時の上級技の「ウィンドミル」まで習得していましたよ。これは、両足を大きく開きながら、肩を利用して床でクルクルと回る技。これが得意中の得意。ボクが通っていた中学でも、おそらく一番キレイなウィンドミルで回っていました。休み時間に、廊下や体育館でクルクル、クルクルと。その一箇所で、ずーっと。

 このように、時間の経過とともに技がすごくなっていくのは、ブレイクダンスに限らない。スポーツでも、どんどんタイムが短くなり、どんどん遠くに飛び、どんどん複雑なジャンプになっていく。これは、より進化を求めて成長していくため。

 ところが、時間が経過しても、あまり進化していないと感じられる分野があります。ボクが以前から気になっているもの。それは、財務報告。会社法に基づく事業報告や、金融商品取引法に基づく有価証券報告書などの、記述情報の部分。金融審議会「ディスクロージャーワーキング・グループ」でも指摘されていたとおり、企業側が積極的に開示しない姿勢があると指摘されています。

 それは、必要以上に開示したくない、世間並みで十分と考えているのが原因かもしれません。あるいは、利用者や規制当局の要求レベルが変わっていることに気づいていないのが原因かもしれません。いずれにせよ、そういう姿勢のままでは、株主や投資家から相手にされなくなる。早く気づいて開示の姿勢を変えなければならない。

 そのためには、経理部の財務報告ではなく、経営者の財務報告へとシフトすべき。会計処理には詳しいものの、その結果を経営とうまく結び付けられない経理部。一方で、経営には長けているものの、会計処理の結果とうまく結び付けられない経営者。これらが繋がることで、利用者が求める財務報告にシフトしていくと考えています。

 これを実現するためには、経理部と経営者とがもっと対話を重ねる必要があります。経理部は経営者に遠慮せず、また、経営者は経理のことを毛嫌いせずに、双方向のコミュニケーションを繰り返すのです。それが、全社一丸対応の財務報告。

 経理部だけで財務報告に悶々と悩むのは、一箇所でクルクルと回っているようなもの。同じ場所でずーっと留まっていては進化していかない。そろそろ、ブレイクしませんか、その財務報告を。

執筆やセミナーで「悪役」にすべきは前のページ

ハワイで生活するための2つの方法次のページ

関連記事

  1. Accounting

    2022年12月の金融審議会「ディスクロージャーワーキング・グループ」報告

    昨日の2022年12月27日、金融庁から、金融審議会「ディスクロージ…

  2. Accounting

    773.7%のプレミアムがついている書籍『後発事象の実務』

    少し前の話になりますが、2020年12月25日のクリスマスの日に、こ…

  3. Accounting

    収益認識の新基準の読みにくさを攻略する方法

    こんにちは、企業のKAM対応のスペシャリスト、竹村純也です。…

  4. Accounting

    「おもてなし」精神の商法改正

    その昔。今の会社法が、まだ商法だった頃。2005年に会社法に大幅に移…

  5. Accounting

    会社法監査のある非上場企業と「その他の記載内容」

    2022年3月期から強制適用される監査手続といえば、「その他の記載内…

  6. Accounting

    財務報告の流儀 Vol.053 ピジョン、あらた

    文豪ゲーテが開示責任者なら、自社に固有の情報を記載したでしょう。「一…

  1. Accounting

    コラム「唐揚げランチと収益認識の会計方針」を寄稿しました
  2. FSFD

    SSBJ公開草案にコメント提出:温室効果ガス再計算の是非を問う
  3. Accounting

    過小評価されすぎなんじゃないの、KAMって
  4. FSFD

    SSBJ案の「産業分類ルール」――判断構造の可視化という、見過ごされた本質
  5. Accounting

    財務報告の流儀 Vol.006 東急不動産ホールディングス、EY新日本
PAGE TOP