Career

『メモの魔力』を研修に活かす

(記事にはプロモーションが含まれることがあります。) 

この年末に、あちこちの書店で売り切れが続出している本があります。それは、SHOWROOM社長を務める前田裕二サンの『メモの魔力』。

 

12月24日のクリスマスに発売されてから1週間も経っていないのに、もう手に入らない状態。この本を発行している幻冬舎の社長の見城徹サンのツイートをまとめると、初版を3万部から5万部に増やし、また、発売前に増刷して計7万部。発売後に3刷、4刷して累計17万部。それでも間に合わない勢いだそうで。

ボクは、この本が出ることを発売前に知っていたので、クリスマスに前に書店に並んでいたのをたまたま見かけ、その場で購入。手にしたのは、1刷のものでした。

この本をそこまでして確保したかったのは、研修の参加者がもっと気づきを得られるようにしたいと考えていたから。

 

研修で同じことを話していても、研修のアンケートを見ると、学びが多い人だけでなく、学びが少ない人もいます。もちろん、学びを得ている人が大半なのですが、できれば参加者の全員に気づきがあると嬉しい。

来月早々に、ボクの所属する事務所で、新人研修の講師を務めます。最初は、この本に示されているフォーマットを試そうかと考えていました。ただ、自分がそれを強要されたときに、どう思うかとふと考えてみたのです。

つい最近のブログでお話ししたとおり、ボクはマインドマップ派。これによった方が内容も整理でき、また、発想も生まれます。これを否定されてしまうと、むしろ学ぶ姿勢に悪影響が出かねない。

加えて、ボクが手がける研修やセミナーでは、ファシリテーターとして、参加者を尊重したい。ツールを学びに来た訳じゃないのに、それを強要することは相反します。

なので、本を読み進めるにつれて、「あれっ、この強要を目指すのがゴールだっけ?」と疑問を感じ始めました。さらに、ボクのマインドマップとどう違うのかと。

 

そもそも、この本を読むときに設定したボクのゴールは、参加者が行動に移せるためのノート術を3ステップ化したい、というもの。前田裕二サンのメモを再現することではなく、行動に移せるノート術を伝えたいのです。

そんなゴールに立ち戻ると、メモ術のエッセンスは「ファクト→抽象化→転用」というフレームワークにあると説明されています。

これに照らすと、学びの少ない人は、研修でインプットすることに重きを置いていると推測できます。ボクの研修やセミナーは、会計士や経理の方が対象。会計のルールを正確に身につけることを継続して反復してきているため、インプットすることが学びと捉えているのでしょう。

 

確かに、学習にはインプットする局面もあるのは事実。特に会計のルールは、正確に理解しなければ業務に活かせない。

しかし、インプットだけで終わるのももったいない。フレームワークの最初のステップにとどまらず、第2、第3のステップにまで到達して欲しい。

ボクのマインドマップも、言われると、このフレームワークに従った使い方をしていることに気づかされました。

インプットをまとめながらも、それらを一望して関係性を見つけて違う色のマーカーで結びつけたり、括り直したりしています。これは、前田サンのフレームワークでいう第2のステップの、気づきを応用可能な粒度で抽象化することに同じ。

 

さらに、マーカーを付けたマインドマップを見ながら、実際の行動として何をするかまで整理しています。これは、前田サンのフレームワークの第3のステップ。自らのアクションに転用するものと同じ。

前田サンのメモ術と、ボクのマインドマップの使い方とでは、ツールとしては別物。しかし、インプットしたファクトを抽象化したうえでアクションに転用するスキルとしては同じなんです。

 

とすると、ボクが新人研修で伝えるべきは、このフレームワーク。それを実践するためのツールとして、前田サンのメモ術だったり、マインドマップだったりを紹介すれば良い。おっ、スッキリした。

あとは、行動に移すためにノートを取る姿勢の話。研修の冒頭で、そのようなマインドになるようにサポートをしていくことになります。

まずは、今の部分をスライドに落としていけば大丈夫でしょう。プラスして、ゴール設定のためのツールを年明けに創っておこう。

 

ところで、このブログ記事に掲載しているTwitterの画面は、この本の製作過程で募集があった「あなたの人生の軸」への応募ツイート。応募が予想以上に集まったため、当初の期限よりも前に募集は終了。それに間に合わなかったのか、ボクの「人生の軸」はこの本の巻末特別企画から漏れたようで。さて、このファクトから、何を抽象化しようか。

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