Business model

10連休にビジネスを止めかねない要因

(記事にはプロモーションが含まれることがあります。) 

今日から始まりましたね、史上初のゴールデンウィークの10連休。このブロクは、2019年のゴールデンウィークには縁が深い。なぜなら、最初の投稿が「期末決算スケジュールの10連休インパクト」だったから。

 10連休になる報道が出たときには、あまり、この影響は心配されていませんでした。そんな中で、決算にフォーカスを当てて懸念事項をお伝えしたのが、この最初の投稿。最近は特に、この記事へのアクセスが増えています。それほどに、心配になっている人がいる証拠。

 実際、ゴールデンウィーク直前の2019年4月26日(金)には、とある銀行のATMで現金が切れてしまうほどに、キャッシュの引き出しが増えたようで。10連休に備えて、手元資金を厚くしておこうと考えたのでしょう。キャッシュがないと通用しない状況が、まだ日本では多いですからね。

 一般消費者としては、この10連休のために手元資金を厚くする対応をしているのに対して、提供する側は準備ができているでしょうか。要は、釣り銭の準備。ボクは、そっちのほうが心配。ゴールデンウィークの最初は営業できていても、後半になったときに営業できなくなるリスク。特に、飲食店や小売店など。

 いくら、ゴールデンウィーク中に出勤できる人を手配し、また、提供するサービスも調達できたとしても、支払いの段階でお釣りが渡せなければ、値引きを覚悟しない限り、営業をストップせざるを得ない。クレジットカードが使えるお店なら問題ありませんが、キャッシュオンリーのお店だと死活問題。このように、釣り銭問題に直面するのです。

 実際、今日、美容院に行った知人は、自分の前の人が支払いで1万円札を出したときに、店員さんが「店長、1,000円札が足りませーん」と叫んだといいます。幸い、店長が即座に「大丈夫でーす」と返答したため、問題にはなっていない。ただ、ボクの知人が次の支払いだったため、1万円札を出すのを申し訳なく思ったそうです。もっとも、10連休の初日に釣り銭切れは、あきらかに準備不足。

 こんなとき、ボクはビジネスモデル・キャンバスで対応策を考えます。クレジットカードが使えないBtoCのお店では、ビジネスモデル・キャンバスのうち「チャネル」が、キャッシュに限定されている状態。これは、クレジットカードの利用料がそこそこの水準のために、採算面から導入を控えていることがあります。

 しかし、チャネルの手段は、キャッシュでなければ、クレジットカードしか選択肢がないのでしょうか。その二択でしかない状態に置かれているのでしょうか。

 今、あなたの手元に何がありますか。そう、スマホがあるじゃないですか。これを決済手段に使うのです。最近、イベントに出かけると、お店での決済で、スマホのアプリを使うケースが増えています。これらを利用すれば、キャッシュでもなければ、クレジットカードでもない決済手段が得られます。

 例えば、小山竜央サンの『神速スモール起業』(大和書房)では、集金・決済に初期費用も固定費もかからないサービスとして、「AnyPay」を紹介しています。この本にはAnyPayだけ紹介されていますが、スマホにアダプターを付けてクレジットカードを決済できる方法もあれば、QRコードで決済できる方法もあります。ちなみに中国では、QRコード決済が当たり前で、もはや普段から財布を持ち歩かなくても良いような状態だそうで。

 フリマアプリ「メルカリ」によるモバイル決済サービス「メルペイ」は、この10連休を活用して、スマホ決済を促すよう積極的なキャンペーンを展開していますね。あれは、消費者側へのアピールですが、提供者側のお店にも促したほうがいい。もし、ボクが税理士業務をやっているなら、顧問先に、そのサービスを紹介し、また、導入支援サービスを提供しているでしょう。

 こんなにも決済手段が選べる時代に、キャッシュとクレジットカードしか選択肢を持たない結果、この10連休の営業ができなくなるなんて、あり得ない。クライアントの損失もそうですが、日本としての損失も甚だしい。「ショウ・マスト・ゴー・オン」(The Show Must Go On)という言葉のとおり、10連休でもビジネスを止めてはいけない。

 なので、BtoCのクライアントをお持ちの税理士や会計士の方にお願い。決済手段が豊富なことを伝え、かつ、今からでも導入できるように支援してください。この史上初の10連休中にビジネスを止めないために。

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