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コロナでどうする、どうなる、セミナー開催

(記事にはプロモーションが含まれることがあります。) 

最近のメディアは、コロナウィルスの話題で持ちきり。亡くなられた方もいらっしゃるため、被害が大きな騒動になっています。そんな中、イベントや集会に影響が及んでいます。

 あるタレントさんのイベントでは、接触を避けるため、握手会は中止。また、タレントさんがマスクをつけてイベントに出演しても顔がわからなくなるため、観客にマスクを配布して着用を求めているとか。

 また、企業や自治体でも、イベントを中止にする動きも出ています。中止にしないまでも、東京マラソンのように一般ランナーの参加が取りやめになるなど、範囲が限定されているものもあります。

 こうした中で、セミナーや研修の開催にも影響が及んでいます。ボクが講師を行うセミナーについて、主催者から連絡がありました。そのセミナーは、「【セミナー】後発事象に関する実務上のポイント」。すでに来場を申し込まれている方々もいらっしゃいます。

 主催者は1日に複数のセミナーを運営していることから、コロナウィルス対策を検討されたようです。その結果、しばらくは来場を呼びかけないとのこと。ここまで各社でイベントを中止している状況ではやむを得ない判断だったでしょう。

 で、中止になったのかと思いきや、Web配信は予定どおり行うため、当初の時間どおりに来てほしいとのこと。このセミナーの様子は録画されているため、後日、Webを通じて視聴できる。当日の来場は中止にするものの、Web配信のために講師を務めてほしいと。

 ここから、セミナーや研修の主催者の観点からと、講師の観点からの学びが得られます。この学びは、ビジネスを行っていくうえで注意すべき点。

 まず、セミナーや研修の主催者の観点でいうと、発信の手段はひとつだけでは厳しいということ。来場だけ、あるいは、配信だけに偏っていては、それを実現できない状況になったときに、何もできなくなってしまうから。

 今回のケースでは、セミナーの主催者が来場を前提とした集客しかしていなければ、ビジネスは立ち行かなくなる。状況が状況なだけに、来場を呼びかける訳にはいかないこと、また、受講者も来場を避けることを踏まえると、いきなり売上がゼロになってしまうのです。

 次に、講師の観点でいうと、主催してくれる人がいなければ、セミナーや研修を開催できない状態では厳しいということ。主催者が中止を決定した瞬間に、売上が立たなくなってしまいます。

 今回のケースでは、いくら自身がやる気であっても、セミナーや研修を主催する人に集客を頼っていると、こういうときに窮地に追いやられます。講師に呼ばれるだけの「待ちの姿勢」だと、何もできません。

 いずれの観点でも理解できるのは、ビジネスで「1」という数字は危険だということ。これは、世界的なマーケッターであったダン・ケネディ氏がよく話していたこと。例えば、次のような「1」はリスクが大きい。

・顧客セグメントが1つだけ。
・取り扱う商品・サービスが1つだけ。
・顧客と商品・サービスを繋ぐチャネルが1つだけ。
・収入源が1つだけ。
・寄って立つリソースが1つだけ。
・取り組む活動が1つだけ。
・鍵となるパートナーが1人だけ。

 あなたのビジネスがどれかに当てはまっているなら、リスクは高い。企業がIPOをするときの審査でも、大口の取引先や仕入先に依存している状況はリスクが高いと自ら説明しなければならないほど。依存している先に何か起きたのなら、ビジネスの持続に問題が生じてしまうから。

 今から10年以上も前に、あるIPO準備会社の監査に関わっていた頃。その会社は、メインで取り扱っている製品について、その原材料の調達先がある1社に依存していました。ボクが「これはリスクが高いから上場審査でも問題視される可能性がありますよ」と説明しても、IPO担当者は「そんな事態は起こり得ない」と楽観視。

 その後、社内にいろいろあったことから、IPO準備は一旦ストップします。監査の契約もいったん打ち切りとなって半年ほど経ったときに、例の原材料の調達先が、想定外の事態となります。そのため、急遽、原材料が供給されなくなる。

 この調達先から原材料が仕入れられないと、売上の大半を占めていた製品を作ることができません。十分に販売することができないため、売上高はガタ落ち。未だにIPOしていないことが、リスクの大きさを物語っています。

 やはり、ビジネスで「1」はリスクが高い。セミナーや研修に話を戻すと、集合して開催する機会に加えて、オンラインで配信できる機会も持たないとリスクだと理解できます。それも、誰かに依存している状態だけではなく、自身でできる環境も必要。

 こうした騒動をテレビで見て大変と騒ぐだけではなく、それから何を学ぶか、また、何をコツコツと積み上げていくかが大事。とりいそぎ、あなたの「1」をなくしていきましょう。

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