Accounting

KAM強制適用事例、第3号の登場

(記事にはプロモーションが含まれることがあります。)  

こんにちは、企業のKAM対応のスペシャリスト、竹村純也です。

今日の2021年6月4日、2021年3月期にKAM(監査上の主要な検討事項)が強制適用された事例が登場しました。これで3つ目です。

KAMが報告された企業は、定時株主総会は2021年6月29日とまだ先のこと。しかし、それよりも早い2021年6月4日に有価証券報告書が提出されたことから、強制適用のKAM事例も判明しました。

しかも、KAMで取り上げられたテーマは、これまでの早期適用事例にはなかった事項です。それについて簡単にお知らせしますね。

KAMの【強制】適用事例

(1)事例

  • 証券コード 7741
  • 会社名 HOYA㈱
  • 業種 精密機器
  • 開示書類 有価証券報告書
  • 決算日 2021年3月31日
  • 監査法人 有限責任監査法人トーマツ
  • 会計方式 IFRS

(2)強制適用によるKAM

連結財務諸表の監査報告書に記載されたKAM

  • 仮払法人所得税の回収可能性

個別財務諸表の監査報告書に記載されたKAM

  • 関係会社株式の評価

KAMへの所感

連結のKAMでは、税務当局と主張の相違があることから裁判所の結果に不確実性があるため、税務処理が取り上げられています。確かに、不確実性が極めて高い事項であることは事実でしょう。また、当期にも少し動きがありましたし。

しかし、個人的には違和感が残ります。果たして、この税務処理が、しかも、これだけをKAMとするほどに特に重要と判断されたものであったのかどうかが。もちろん、内情を知らないため、確定的なことは言えません。

ここで、拙著『事例からみるKAMのポイントと実務解説―有価証券報告書の記載を充実させる取り組み―』やこのブログで連載している「財務報告の流儀」シリーズをご覧になったり、あるいは、ボクのセミナーを受講されたりした方は、あの分析方法を試してみてください。今ここで詳細を語らなくとも、ボクと同じ印象を受けるハズ。

気になった方は、ぜひ、一度、取り組んでみてはいかがでしょうか。KAMだけを読んでいても、何も見えてきませんよ。

そうそう、この答え合わせは、不特定多数の目に触れないところでできる機会があれば、そのときにでも。

KAMの2021年2月期の早期適用と2021年3月期の強制適用前のページ

KAMの本が弁護士向けの情報専門誌で紹介される理由次のページ

関連記事

  1. Accounting

    後発事象のKAMに備える

    後発事象の監査対応といえば、今は、KAM(監査上の主要な検討事項)を…

  2. Accounting

    収益認識の新基準に短期間で対応するために必要なこと

    こんにちは、企業のKAM対応のスペシャリスト、竹村純也です。…

  3. Accounting

    財務報告の流儀 Vol.002 メンバーズ、アヴァンティア

     文豪ゲーテいわく、「一つのことが万人にあてはまりはしない。めいめい…

  4. Accounting

    新セミナー、内部監査へのKAM活用法

    2024年2月5日、「内部監査の機能を高めるための『KAM』の活用法…

  5. Accounting

    【実務が止まる可能性】後発事象基準、見落とされている「構造的な論点」とは何か

     2026年4月9日、一般財団法人産業経理協会において「後発…

  6. Accounting

    財務報告の流儀 Vol.022 AOKIホールディングス、PwCあらた

     文豪ゲーテが開示責任者なら、財務報告の流儀を求めたことでしょう。「…

  1. FSFD

    2026年10月公開草案をどう読むか――ISSB自然関連実務記述書の先読みガイド…
  2. Accounting

    優良なKAMを記載するための「視点」の転換
  3. Accounting

    【WEBセミナー】後発事象を軸とした財務報告の検討
  4. FSFD

    米国政治を口実に気候開示を遅らせることの危険性
  5. Accounting

    睡眠からのビジネスのダッシュボード
PAGE TOP