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星(スター)著者に願いを

(記事にはプロモーションが含まれることがあります。) 

さあ、願いをいえ。どんな願いでも叶えてやろう。――これ、何か神秘的な力で誰かの願いを叶えるストーリーで聞くセリフ。

例えば、ディズニー映画『アラジンと魔法のランプ』では、ランプの妖精のジーニーが、ランプの持ち主の願いを3つ叶えてくれます。また、漫画『ドラゴンボール』では、神龍(シェンロン)が、ドラゴンボールを7個集めた人の願いをひとつだけ叶えてくれます。

このように、叶えてくれる願いの数に違いはあるものの、こちらの想いを実現してくれる物語があります。

ボクなら、たったひとつの願いだけで大丈夫。3つも要らない。ひとつで十分。子どもの頃から、絶対にこれだと決めている願いがあります。むしろ、なんで皆、この願いを告げないのだろうかと不思議に思っていたほど。

その願いとは、「どんな願いでも叶えられる、その力を与えくれ」。これさえ身につければ、3つどころか無限に願いを叶えることができます。オールマイティーなカードを何度でも使えるような状態。絶対にこれでしょ。

振り返ると、どうやったら同じようなことをできるようになるかを考えているのかも。つまり、自分がそれを再現できるためには、何が必要かと。今日、ふらっと立ち寄った本屋さんで、そんなことに気づきました。

新刊本コーナーに隣同士で並んでいたのは、2019年の日本経済はこうなる系の本。ひとつは良くなる系、もうひとつはダメになる系。どちらの本の著者も有名な方。ボクもよく買っている方々。

こうした本を読むと、日本経済の行方以上に、どうやって結論を導き出しているかが気になってしまいます。良くなる結論やダメになる結論を導くのに、一体、どんな情報を入手しているのか、そうした情報をどう活用・調理しているのか、説得(プレゼン)はどのようにしているのか、などなど。

この著者のようになりたいと思うと、その著者の本は読みまくり、教材なども試し、セミナーにも参加してみます。そうして徹底的に著者の世界観に浸ることで、著者の在り方に近づこうとするのです。

すると、自分がそれを再現するために必要なことが見えてきます。もちろん、すぐにとは言いません。1年以上かかるケースはざら。3年以上もその世界観に浸ってみてわかるケースだって少なくない。

時間はかかるものの、自分が望むレベルで再現できる状態になれば、それが自分のマインドやスキル、ツールになっていくのです。

例えば、国際金融コンサルタントの菅下清廣サン。何年か前はフォレスト出版さんから3ヶ月くらいのスパンで経済予測の本を書いていた方。出版される都度、本を買っていました。そのときに気になったのは、経済予測の仕方。

当時、予測といえば、「日本経済は良くなる」とか「日本経済は悪くなる」とかを断言するイメージ。実際、どちらかを主張する著者もいらっしゃいます。

菅下清廣サンも経済予測で評判の高い方。なので、どういう風に予測しているのだろうと、言い換えれば、どうやればボクにもできるのだろうか、気になって気になってしかたない。

そこで、著書を注意深く読んだときに、気づきました。言われると当たり前だろと感じるでしょうが、それに気づくまで予測なんて一種の賭けだと思っていたほど。これに気づいて、腑に落ちました。

それは、条件に応じた複数のシナリオを挙げること。

これは、何も保険を打っているワケではありません。シナリオプランニングの観点からも、至極、真っ当。なぜなら、未来は確定したものではないから。そのときどきの状況によって変わるのです。だから、こういう状況ならこういうシナリオ、別の状況ならそういうシナリオ、と提示することが適切。何も無理して、ひとつの方向性に賭けなくても良いのです。

そんなことに気づいたとき、税効果会計の研修にさっそく使っちゃいました。当時、政権を取り巻く状況から、税率の改正が例年どおり3月末までに行われるかどうかが微妙でした。でも、セミナーでどう対応するかを説明しなければならない。どちらか一方だけを伝えるのは賭けだし、また、参加者にとっても有意義とはいえない。さあ、どうしよう。

そのときに、改正時期に応じた2つのシナリオを提示することで、それぞれの対応を伝えることができました。それはセミナー参加者にとっても、改正時期がどちらに転んでも対応できるため、満足されたのではないかと考えています。

こんな感じで、再現したいものを自分の中に取り込んでいくのです。そうした積み重ねが今のボクを作っています。

あなたは誰を見て、どんな願いを叶えますか。

P.S.
先日、溜池山王で、エスカレーターで上っているときに、たまたま菅下清廣サンが隣のエスカレーターで下っていきました。セミナー以外の場所でお見かけするのは初めて。まるで芸能人に会ったかのように、テンションが上がりましたよ。
そうそう、よく話されている算命学を監査法人に当てはめると、興味深い結果が得られます。
・菅下清廣『一生お金に困らない「未来予測」の技術』

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