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ゴジラの鳴き声が役に立つ日

(記事にはプロモーションが含まれることがあります。) 

あなたは、観察力がありますか。普段、目にするもの、耳にするもの、手にするもの。これらについて、どこまで理解しているでしょうか。

例えば、ゴジラ。ゴジラの鳴き声をどこまで再現できますか。とても特徴があるのですが、それを的確に答えられる人に出会ったことがありません。つい、「ガオー」とか「ギャー」という鳴き声を想像してしまいがち。

そういうボクも、30年くらい前まで知りませんでした。ということは、知ってから30年程度経っているのです。その間、ときどき、この質問をするのですが、誰一人として答えられない。

ボクがゴジラの鳴き声の特徴を知ったのは、確か、深夜ラジオのオールナイトニッポンを聴いていたときのこと。パーソナリティのデーモン小暮さんが、それをレクチャーしていました。

そうそう、デーモンさんって、お名前が2度変わっているようで。最初は「デーモン小暮」、次に「デーモン小暮閣下」、現在は「デーモン閣下」。なので、閣下と呼んでいきますね。

閣下によると、ゴジラの鳴き声は2段階の構成になっているとのこと。「ガオー」とか「ギャー」のように一本調子じゃない。最初は、短く、上にあがる。次は、長く、下にさがる。この組み合わせが、ゴジラの鳴き声の構成。

ボクがもう少し補足すると、最初の、短く上に上がる部分は、カラオケで盛り上げるときの掛け声「フーワッ、フーワッ、フーワッ、フーワッ」の「フーワッ」と同じ。これを「エーヤッ」と声を絞り出して言います。

次の、長く下に下がる部分は、石川さゆりサンの「天城越え」の最後で「あまぎーーごーおおえーーー」の「ごーおおえーーー」と同じ。このメロディで「お~ん」と響かせればOK。

このゴジラの鳴き声、誰もが聞いたことがあるはず。最近では映画「シン・ゴジラ」もヒットしたため、その映画を観に行ったり、CMやテレビ番組の中での紹介などを見たりして、聞いているはず。だから、聞けば、それがゴジラの鳴き声だとわかるでしょう。

これは、「それ、知っている」現象。知識としては知っていても、それを使うことができない状態。特に注意を払っていないため、再現することができないのです。

ビジネスやキャリアの中で、ある程度、学習が進むと、「それ、知ってる」というセリフが出てきがち。しかし、「知ってる」のと、「できる」「やってみた」というのとでは、大きな違いがあります。

いくら知っていても、実践できなきゃ知らないのと同じ。それじゃあ意味がない。ホラ、学生時代に、知っているけどテスト問題を解けなかった経験がありせんか。それと同じ。つまり、身についていない状態なんです。

だから、学びの過程で「それ、知ってる」と思ったときには、要注意。「知っているけど、できるだろうか」「どうやって活用しようか」と、実践に移すことに意識を向けたほうが良い。ゴジラの鳴き声から、そんな学びが得られます。

ところで、閣下は、ゴジラの鳴き声の他にも練習していたものがあります。それは、建物から落ちるときの声。別に何かに使う予定もないのに、いかに上手く表現できるか、練習していたそうです。

そんなことは誰も知らない中、閣下に映画「バットマン」の吹き替え役がまわってきます。バットマンの敵であるジョーカーの、若かりし頃のジャック・ネーピアの役。なんと、建物の上から落下するシーンがあったのです。もちろん、その吹き替えは一発OKだったと話していたように記憶しています。

知っているで終わることなく、どう使うかまで考え抜く。それはきっと、いつか役に立つ。あなたが「知ってる」で終わらせていることは、一体、何ですか。

P.S.
ビジネスでイノベーションを起こすとき、観察は非常に大事。それをせずに憶測だけで突っ走ると、現実と異なるために失敗します。その点、FORTHイノベーション・メソッドは、観察のフェーズを組み込んでいるため、成果が出やすくなりますね。
・ハイス・ファン・ウルフェン『START INNOVATION ! with this visual toolkit.〔スタート・イノベーション! 〕―ビジネスイノベーションをはじめるための 実践ビジュアルガイド&思考ツールキット』

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