Accounting

ABCバンブーメルマガ 2020年3月7日号

(記事にはプロモーションが含まれることがあります。)  

新型コロナウイルスがビジネスに影響を与えていく中で、上場企業はそのことを財務報告で言及せざるを得ないこともあるでしょう。ブログ記事「新型コロナウイルスの記述情報の海外事例」でも、その点をお話ししたとおり。

 で、調べてみると、イギリスのFRC(財務報告評議会)は2020年2月17日の時点で、コロナウイルスの出現と拡散から生じるリスク開示に関する企業向けガイダンスを公表していました。スライド1枚に文章を記載した簡易なものではあるものの、なかなか仕事が早い。

 それは、「FRC advice to companies & auditors on Coronavirus risk disclosures」(仮訳:コロナウイルスのリスク開示について企業と監査人に向けたFRCのアドバイス)。冒頭には、ビジネスが中国に関係している企業は特に関連すると言いながらも、コロナウイルスが中国以外に広がるなら、他の企業も影響を受けると記載しています。この冷静な予見もすごい。

 このガイダンスで財務報告に役立つポイントは、ずばり、ここ。

Companies should consider whether to refer to the possible impact of COVID-19 on their business in their reporting of principal risks and uncertainties. Where mitigating actions can be taken, these should also be reported alongside the description of the risk itself.

 これに対するボクの仮訳は、次のとおり。

「企業は、重要なリスクと不確実性を報告するにあたって、COVID-19がビジネスに与える可能性のある影響に言及するかどうかを検討する必要がある。緩和策を講じることができる場合は、リスク自体の説明とともにこれらも報告する必要がある。」

 このように、リスクや不確実性、ビジネスに与える影響が挙げられています。日本の有価証券報告書でいうところの「事業等のリスク」と、「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」(MD&A)の箇所。これらの記述情報にいかに新型コロナウイルスの影響を書き込むかがポイントになってきます。

 気をつけたいのは、MD&Aのところで、散々、新型コロナウイルスの影響を受けたと記載していながら、リスク情報でコロナウイルスに言及していないケース。各種の記述情報の内容が整合していない状態では、どちらかの更新漏れとみなされてしまいます。

 では、これらの記述情報をどう書いていくか。これについては、海外企業の開示で良い事例あります。先日のブログでも、2020年3月7日のメルマガで海外事例の仮訳を紹介すると告知していたとおり。

 まずは、日本の有価証券報告書で「事業等のリスク」に該当するところの記述をご覧ください。
↓↓↓
アイテム1A リスク要因
(仮訳は、メルマガに登録されている方にご案内しています)

 次は、日本の有価証券報告書で「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」に該当するところの記述をご覧ください。
↓↓↓
報告された結果に影響を与える項目および/または将来の結果に影響を与えると予想される項目

コロナウイルスの発生の影響
(仮訳は、メルマガに登録されている方にご案内しています)

以上となります。いかがでしたでしょうか。
財務報告に少しでもお役に立てたのなら嬉しい限りです。

ビジネスでスケールを追うときに見失いがちな点前のページ

Netflixドラマ「Followers」からビジネスの気づき3つ次のページ

関連記事

  1. Accounting

    期末決算スケジュールの10連休インパクト

    2019年5⽉1⽇。この⽇が「祝⽇」になったときに、決算がストップしか…

  2. Accounting

    竹村純也のKAMの近道

    一見、遠回りに見えて、実は一番の近道。そういうの、よく、ありますよね…

  3. Accounting

    【KAMセミナー】来場5大特典、これはいい!

    ついに、今週の金曜日となりました。それは、会計監査の監査報告書に新た…

  4. Accounting

    財務報告の流儀 Vol.014 三菱電機、あずさ

     文豪ゲーテが開示責任者なら、財務報告の流儀を求めたことでしょう。「…

  5. Accounting

    有報・サステナビリティ情報の改正案には記載されない重要ポイント

    思ったよりも、早くリリースされましたね。そう、有価証券報告書の改正案…

  6. Accounting

    『プロが知るべき 仮想通貨の真実』からネーミングの大切さを学ぶ

    会計の世界で、今となっては誰も反応しなくなったものがあります。覚えて…

  1. FSFD

    英国が直視するサステナビリティ保証の課題と日本企業への示唆
  2. Accounting

    WEBセミナー「いまさら聞けないKAM対応実務」のお知らせ
  3. FSFD

    2026年10月公開草案をどう読むか――ISSB自然関連実務記述書の先読みガイド…
  4. Accounting

    表現へのこだわりとKAMセミナーの核心
  5. Accounting

    コラム「もしも、英国の監査委員会が、有報の『監査役監査の状況』を記載したら」を寄…
PAGE TOP