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教えることと破天荒キャラ

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あなたがセミナー講師を目指すなら、こんな心配はありませんか。何かを教える、伝えるときに、自分がそれを話す立場にあるかどうか。

その分野で才能があったり、一流になっていたりと実績があれば、それが自信となるでしょう。しかし、そうした実績がないと、教える立場にないのではないか、まだ、早いのではないかと心配したり、不安になったり、あるいは自信をなくしたりするかもしれません。

確かに、その分野で実績があると、価値がありそうだと伝わりやすくなります。だから、何かの賞を取ることや、何かに選ばれることなどを目指しているのかもしれません。もちろん、その努力は無駄にはなりません。ないよりは、あったほうが展開しやすい面もあります。

ただ、それがないから、ダメ、あるいは、早すぎるということもないのです。そんなことを、2019年1月3日にフジテレビ系で放送された『VS嵐 2019賀正新春豪華3時間SP』を見て感じていました。

その番組では、お笑いコンビ・平成ノブシコブシの吉村崇サンが出演していました。彼は破天荒キャラで売っている芸人さん。そんなキャラであるにもかかわらず、嵐の櫻井翔サンは楽屋では吉村崇サンが真面目だと指摘していたのです。それは糾弾するのではなく、ほっこりとした感じで互いに言い合っていました。

おそらく、周りに気を遣える人なのでしょう。嵐のテレビ番組で司会役を務めるだけでなく、他の番組でも引っ張りだこ。破天荒というキャラで失礼な振舞いをしているだけでは、こんなに多くの番組に呼ばれません。共演者たちから好かれていることを示す証拠ではないでしょうか。

で、この二人のやりとりからわかるのは、吉村崇サンの破天荒キャラは、本当はそうではないのに、あえてその役を振る舞っていること。真性の破天荒を活かしていなくても、本来の自分とは違うキャラの特徴を捉えることで、破天荒という売りができるのです。

もう少し深めていくと、もともと破天荒ではないからこそ、どのように振る舞うと破天荒として映るかに敏感になれます。真性の破天荒だと意図せずに破天荒に振る舞っているため、自分のどこが破天荒かに気づくことが難しくなります。

水をもっとも発見できないのは魚。魚にとっては水の中にいることが極めて通常だからこそ、水の存在に気づくことが難しい。違いに気づける環境に置かれていないと、その才能や一流を生み出す原因がなにかをつかみにくいのです。

よく「名選手は名監督にあらず」と言われるとおり、プレイヤーとして一流であっても、その一流のマインドやスキルを伝えられなければ、それを他の誰かが再現することはできません。反対に、才能があるプレイヤーや一流のプレイヤーではなくても、彼らのマインドやスキルを再現できる形で伝えられるなら、名プレイヤーを沢山育てられます。

だから、何かを教える、伝えるときに、必ずしもその分野での才能や一流の実績がなくても良いということ。伝える側にとって大事なのは、受け手がそれを再現できること。才能がないとか、実績がないとか、そんなのは関係がないというのは、一歩を踏み出さないための言い訳にすぎないのです。

そんなことを心配している暇があったら、むしろ、それが違いに気づきやすい強みだと思えばいい。そうして一歩を早く踏み出して、違いを見つけるべき。そうして名監督になればよいのです。名選手と名監督の組み合わせは、次の4つ。

(1)名選手、かつ、名監督
(2)名選手であるけれども、普通の監督
(3)名選手ではないけれど、名監督
(4)名選手でもなく、名監督でもない

参加者を導くことのできるセミナー講師が名監督だとすると、あなたは、(1)の名選手になるしか道がないわけじゃない。(3)の名選手ではなくても名監督になる選択肢もあるのです。たとえ破天荒じゃなくても、破天荒キャラが売りにできるのですから。

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