Accounting

デート代の会計処理の落とし穴

(記事にはプロモーションが含まれることがあります。)  

こん○○は。

 これ、20年ほど前に使われていたメールでの挨拶。当時は、Eメールと呼んでいましたね。

 このEメールが流行る前は、電話の時代。電話だと、発信した人と受信した人とのコミュニケーションが同じ時期に行われます。朝やお昼なら「こんにちは」、夜なら「こんばんは」の挨拶で何も問題が起きません。

 ところが、Eメールが流行り始めると、挨拶の言葉の状況が変わります。夜にメールをして「こんばんは」と書いても、相手は翌朝に読むかもしれません。すると、間が抜けてしまいます。その逆も然り。

 そこで、メールが流行る前のパソコン通信時代からメールのやり取りをしていた、いわゆるパソコンおたく達は、コミュニケーションの仕方が変わったことに応じた挨拶の言葉を発明します。それが、「こん○○は」。

 これによれば、受信した人が受信した時間帯に応じて、○○の部分を読み替えればよい。朝や昼なら「こんにちは」と、また夜なら「こんばんは」と。これはすごい大発明。で、20年ほど前は、ボクも普通に「こん○○は」と使っているほどに、広く普及した挨拶。

 今ではまったく見かけなくなりましたが、こうしたパソコンおたく達が使っていた作法がそうではない人達にも広まっていました。(^^)といった顔文字などもそう。文章を締めるときの「ではでは」も、その作法のひとつ。

 このように特定の世界での使われる用語を使って遊ぶことがあります。ボクも、会計で使われる言葉を巡る質問を後輩たちに投げかけていたことがありました。その質問とは、これ。

「デート代の支出を、どう会計処理する?」

 もともとは、ボクの師匠の師匠が編み出した質問。この質問を会計士に投げかけると、その人の性格がよく見えてきます。多くの人の返答は、「会議費」や「接待交際費」というもの。真面目に、一般的に見受けられる会計処理を前提として答えるのです。

 しかし、ボクの師匠の師匠が求める正解は、それらとは別。その正解を聞くと、会計を学んだ者なら誰もが頷かざるを得ないほどに、美しく、かつ、ピュアな回答。100人中、93人は納得するハズ。その正解とは、これ。

「繰延資産」

 支出したときに費用形状するのではなく、翌期以降の収益に対応させるために繰り延べていくのです。繰延資産として計上することによって、このデートで関係は終わりではなく、今後も関係を築いていこうという支出と捉えるのです。

 ボクはこの質問が好きで、一時期、これを後輩に投げまくっていました。多くが「会議費」「接待交際費」とする中で、次のような面白い答えもありました。

 合コンをしまくっていた会計士の卵の後輩クンは、この質問に対して、「広告宣伝費」か「販売促進費」かのどちらかで悩んでいました。いずれにしても、販売費。合コンを前提とした答えに、彼らしさがにじみ出ていました。

 別の会計士の卵の後輩サンにも、同じ質問を投げかけたことがあります。彼女は、「特別損失」と即答。その理由を聞くと、「女性が支払うなんて、あり得ない。だから、特損なんです!」と力説。今の若い子は割り勘が当たり前と聞くので、そんな答えも時代ならなのかもしれません。

 この質問の答えが面白かったことから、その後、恋愛に関連した会計の話にのめり込みます。その名も、「恋愛会計」。サブタイトルは「Love Accounting」。それっぽいでしょ。

 ただ、その恋愛会計は、どんどんと下品な方向に進んでいきます。相当、酔っ払わないと話せないほど。それでも何年に一度は、この恋愛会計を披露することがあります。恋愛会計の説明によると、売上の計上が引渡し基準である必要性がよく理解できます。そのため、久しぶりに会う人から、「あの恋愛会計は、まだ本にしないの?」と尋ねられるほど。

 そんな話を思い出していたら、新しい収益認識の会計基準だとどう説明できるんだろうと考えてしまいます。あれ、少し勝手が違うんじゃないかと。従来の引渡し基準では自分からの視点であったのに対して、新基準では相手からの視点が強いと。

 おっと、これは恋愛会計の体系を見直さないといけないかも。しかも、下品にならないように、ソフィスティケイトしないとね。

 ではでは。

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