Accounting

アニュアルレポートの探し方のトリセツ

(記事にはプロモーションが含まれることがあります。) 

あなたは作ったことがあるでしょうか、トリセツ。そう、取扱説明書です。先日、ボクはトリセツの作成に取り掛かっていました。

 現在、KAM(監査上の主要な検討事項)の海外事例を調査しています。これは、ボクひとりじゃなく、チームを組んで行っているもの。ボクが調査対象会社のリストを作成し、また、その分担を決めました。

 その手順は、次の2つ。まず、分担された調査対象会社のアニュアルレポートを探し出す。次に、アニュアルレポートに収録されている監査報告書から、あらかじめ設定した項目についてKAMの内容を分析していく。そんな調査を行っているものだから、先日もブロクで「うそっ? KAMで驚くグーグル翻訳の精度」という記事をお話しした次第で。

 その調査を進めていたところ、ひとりの後輩から相談がありました。なんでも、アニュアルレポートの在り処が探しにくいようで。確かに、日本ではEDINETのように金融庁に提出された有価証券報告書が一覧になった仕組みがあります。EDINETだったり、民間の有報検索サービスだったりを利用すれば、検索はしやすい。

 しかし、アニュアルレポートはそう簡単には検索しにくい。欧州にはEDINETに相当するような財務報告の書類を一元管理する仕組みがない。アメリカならEDGARという仕組みがあるのに対して、欧州は企業のHPにアップした情報を辿っていくしかない。

 2018年4月9日に開催された金融審議会「ディスクロージャーワーキング・グループ」の(第4回)の資料3「事務局資料(ITの活用、英文開示についての主な論点)」では、欧州でも電子開示の動きがあると紹介されています。しかし、今現在、活用できる状態には至っていません。

 このように欧州企業のアニュアルレポートを見たいなら、財務諸表の利用者がそれぞれの企業のHPを訪れないといけないのです。その手間が煩わしい。慣れていないと、後輩のように、なかなかアニュアルレポートに辿り着けないことにもなりかねない。そこで、アニュアルレポートの探し方も含めた、KAM事例分析のトリセツを作成しはじめました。

 ここで、パワーポイントの資料づくりが好きなボクの血が騒ぎだします。最近、ワークショップ型のセミナーで映写するパワーポイントは、写真を多用します。文字は最小限に抑えたもの。しかも、全体の構成は、映画の脚本づくりの観点を踏まえて、三幕構成。

 もちろん、「そこまでする必要はない」という意見もあるでしょう。でも、好きなんですよ、何を、どう組み立てると、相手に伝わるかを考えるのが。土日でも構わずに、その作成に勤しみます。子どもがスマホゲームに夢中になるように、ボクはセミナー資料の作成に夢中になっているのです。

 そーいえば、20年ほど前にも、トリセツを作ったことがあります。ボクがエクセルで作ったキャッシュ・フロー計算書の作成ソフト。色を塗った箇所に数字を打ち込むだけで、知識がなくてもキャッシュ・フロー計算書が出来上がるもの。

 当時、先輩の知り合いの税理士事務所の人が、キャッシュ・フロー計算書を作る必要に迫られていました。しかし、今から勉強している時間的な余裕はない。そこで先輩に相談したのです。

 その先輩は、ボクがキャッシュ・フロー計算書の作成ソフトを知っていたので、「竹村くん、それ、渡してもよいかな」と依頼されました。特に支障もなかったことから、返事はOK。ただ、エクセルのファイルだけ渡しても分かりにくいだろうと考えたため、取扱説明書を作り始めます。

 自宅にあった家電のトリセツをあつめ、その内容を分析し、キャッシュ・フロー計算書ソフト用に構成し直します。そのボリュームは、10ページほどあったでしょうか。そのトリセツとともにソフトを渡します。

 ソフトの使用の前に、このトリセツをよく読んだのでしょう。キャッシュ・フロー計算書のほうは無事、作成できたと感謝していました。ただ、想定していなかったトリセツまで付いていたため、本格的なソフトと勘違いしたようです。そこで、「このソフト、定価はいくらでしょうか」と質問されました。

 でも、販売目的じゃないし、ご縁もあるし。また、褒められると喜びます。永久保証はしませんが、ずっと大切にされているなら嬉しい。そんなキャッシュ・フロー計算書のトリセツのように、KAM事例分析のトリセツも仕上げていきますよ。

P.S.

日本におけるKAM早期適用事例の分析について、当ブログでは「財務報告の流儀」というシリーズ投稿で解説しています。ただ、ワンコインの有料コンテンツとして提供しているため、「お試し版」をこちらで用意しています。

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