今日は、英語で書かれた文献の調査。調査したいキーワードで、英語の文献をピックアップしたうえで、その内容を理解する。ボクの英語力を踏まえると、一年前じゃあり得なかった芸当。
そんな芸当が可能になったのは、グーグル翻訳の精度が上がったため。もはや、「言葉の壁なんて何?」って感じ。もう、世界が広がりますよね。
よく、英語が話せたほうが良いと言われます。英語が使えることによって、日本以外の文化にアクセスしやすくなります。日本には流通していない考え方やノウハウにも接することができるのです。つまり、情報的に優位になれるってワケです。
でも、グーグル翻訳に頼らなくても、英語の文献に接しやすくなった経験があります。それは、1年4ヶ月前のこと。所属する事務所で、ボクがKAM(監査上の主要な検討事項)について調査研究するプロジェクトのリーダーになりました。
当時は、日本語での解説も限られている状況。一方で、英語の文献では、イギリスのKAMの適用について、FRC(Financial Reporting Council;財務報告評議会)が、初年度と2年度の状況をまとめたレポートがありました。もう、これをとっかかりにするしかない。
ところが、当時のプロジェクトメンバーは、必ずしも英語が堪能ではない。ボクもメンバーも、英語は日本語の次に堪能なレベル。あっ、堪能のレベルには大きな差がありますけどね。
そこで、知り合いの女性ファシリテーターに相談しました。彼女は、英語の文献で読書会を開催できるスキルがある人。しかも、その文献を読み込むことなく、読書会の当日に、初見であっても、自分が得たい内容が理解できるファシリテーションができる方。
いろいろと調整をした結果、何とか、FRCのレポートを題材とした読書会を開催することができました。ボク以外のメンバーは、この読書会の運営の仕方は知りません。英語の堪能さも日本語の次のレベルのため、不安を抱えながら当日を迎えます。
ところが。
読書会の当日は、彼女のファシリテーションのおかげで、みんな、FRCのレポートから、知りたいことが得られていきます。ボクも読書会の前までは、「なんだか難しそうなレポートだなあ」と苦手意識が勝っていました。しかし、読書会を通じて、「あっ、こういうことが書いてあるんだ」と一気にエッセンスが理解できたのです。
それからはもう、事務所内ではデカイ顔をしています。「FRCのレポートには、こう書いてある」「こんな報告もされているよ」なんて、軽~く、さらりと話しています。そんなカラクリを知らない人からすると、「竹村さんは、英語の文献まで読み込んでいるんだ」と驚かれているハズ。
この話から伝えたいのは、英語の文献であっても何も気にする必要はない、ってこと。たとえ英語力に不安を感じていたとしても、グーグル翻訳を使わなくても、必要なエッセンスを掴み取ることはできるのです。実際、ボクらはFRCのレポートからKAMに関して知りたかったことを得ることができました。
これ、英語力というよりも、読書の仕方の問題。日本語の文献でも、記載された内容をすべてを精読しないと、ビジネスやキャリアに活用できないと考えてしまいがち。だから、つい、時間をかけて丁寧に読み込もうとしてしまいます。
しかし、読書のゴールが自分の行動につなげるための気づきを得るためなら、ぶっちゃけ、精読は不要。何なら、パラパラ眺めたときに、気になるフレーズだけでも十分。その一文やキーワードから自分の行動につながるのなら、その本に出会った意味があったというもの。
そんな読書法は、日本語でも英語でも同じ。さすがに何も知らない言語では難しいでしょうが、そうでなきゃ言語の差はさしてない。そう、グーグル翻訳を使わなくても。
言語の壁がないとしたら、世界が広がる感じがしませんか。海外の進んだ実務や知識、ノウハウに、言語を気にせずにアクセスできるのですよ。ドラゴンボールの孫悟空じゃありませんが、「オラ、ワクワクすっぞ~」という感じ。
明後日から、新しい元号「令和」が始まります。ワクワクする世界に飛び込んでみませんか。
P.S.
日本におけるKAM早期適用事例の分析について、当ブログでは「財務報告の流儀」というシリーズ投稿で解説しています。ただ、ワンコインの有料コンテンツとして提供しているため、「お試し版」をこちらで用意しています。