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『劇場化社会』からプロフィールのヒントを学ぶ

(記事にはプロモーションが含まれることがあります。) 

これだけネット社会が進んでくると、その情報発信を誰がしているのかに注目が集まってきます。

 今の時代、信じられないほどの情報が量産されています。すると、情報の受け手としては、どの情報が信じられるかの検討をしちゃいられない。その結果、提供される情報の信頼性について、その発信者で判断することになっています。この人の情報なら信頼できる、あの人だと信用できない、という感じで。

 そうなると、情報の送り手の信頼性が高まらないと、いくら頑張って情報を発信しても受け取ってもらえないことになってしまいます。発信する情報の内容を判断する前に、誰が発信しているかが問われてしまう。すると、何が起きるのか。情報の送り手のプロフィールの重要性が今まで以上に増してくる、ということ。

 こういうとき、テレビ番組の工夫が参考になります。ボクが注目したのは、フジテレビ系のバラエティ番組『ホンマでっか!?TV』。そう、明石家さんまサンが司会進行を務める人気番組。

 この番組では、さまざまなテーマに詳しい専門家が登場します。その専門家が、ゲストのタレントと議論を交わしていく様子が見どころ。最新の研究学会の報告だったり、実証データだったりと、「ホントに?」と思うような情報を提供してくれます。

 プロフィールという観点で、ボクがこの番組で着目しているのが、出演する専門家がすべて、「ホニャララの評論家」として登場すること。資格名ではなく、このテレビ番組で名付けた評論家を名乗って出演するのです。

 例えば、日本体育大学の体育学部で准教授を務める岡田隆サン。彼はこの番組に出演するときには、「骨格筋評論家」で登場します。決して大学の准教授という肩書きではなく、骨格筋の評論家というプロフィールを使います。ちなみに、「バズーカ岡田」と、名前までブランディングしているほど。

 他にも、消費生活アドバイザーや家電製品アドバイザー、食生活アドバイザーなどを務める和田由貴サンは、「節約評論家」で登場します。このプロフィールに基づき、1円でも切り詰められるなら、こうすべきと説く姿を貫いています。

 このように、ピンポイントの分野についての専門家として登場しているのです。決して、普段、使っているような肩書きや資格名ではないのです。なるほど、こうしたピンポイントの肩書きだと、何をしている人なのかが伝わりやすい。プロフィールを幅広ではなく、狭めて訴求していく。ここがミソ。

 ブランディングの観点からでも、これは理に適っています。幅広な肩書きやプロフィールでは、何でもできる人、イコール、何もできない人、と理解されてしまいます。しかし、こんなレアでコアな分野の専門家だと表現することで、認知されやすくなります。その結果として、肩書きも広がり、何を手掛けても許される状態になるのです。

 このことは、先日のブログ「独立・起業なら『 #共感SNS 』でマーケティングを学べ」でお話ししました。新しい肩書きを作ることはSNSで有効な手段でしたね。実際、ゆうこすサンは、「モテ」と「クリエイター」を組み合わせた「モテクリエイター」という肩書きにしています。

 そんな肩書きについて、今日、読んでいた本にもヒントになる記述がありました。その本とは、作家の櫻井秀勲サンによる『劇場化社会 誰もが主役になれる時代で頭角を現す方法』(きずな出版)。

 

 その中に、作家の本田健サンの肩書きが、「お金の専門家」となっていると指摘します。世間で認知されている作家や講演家ではなく、他の誰も使っていない「お金の専門家」なんです。

 ボクが思うに、この「専門家」という肩書きは使い勝手が良い。『ホンマでっか!?TV』のような場では、やんや、やんや言うことで成立する世界のため、「評論家」で十分。しかし、ビジネスの世界で、単に評論家というと、口で言うだけで何も実行しない、成し得ないようなイメージもつきまといます。

 ところが、「専門家」と名乗った瞬間に、その分野について知見を重ねてきた印象を強く与えられる。その分野で、これといった資格がないときには、とても使えるプロフィール。

 これが「一番詳しいナントカ」と名乗ってしまうと、他の誰かがその座を奪う可能性がある。それに対して、専門家と名乗るなら、あの人も詳しいけど私も詳しいというポジションを確立することができます。つまり、偽りのないプロフィールってこと。

 そんなヒントが得られたので、ボクのSNSのプロフィールも、ナントカの専門家と名乗ろうかな。もう、公認会計士という資格だけでは、何をしている人なのかが説明しきれない。そこで『ホンマでっか!?TV』に倣って、例えば「決算説明の専門家」というような肩書きにすると、はるかに伝わりやすくなる。

 少し整理したうえで、ボクもプロフィールを見直すつもり。SNSに公開しているプロフィールは、今現在、ボクが考えている方向性とは少し違うところもあるので。そのうち、プロフィールが変わっていたら、ご察しくださいませ。やっぱ、決算説明の専門家かな。

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