話すときに、オープニングに悩むことがありませんか。例えば、セミナーや研修の講師をするときに、何から話し始めれば良いかと。
本編であれば、伝えたい内容を話すため、つっかえることは心配しなくて良い。ところが、その本編に入るまでの時間を持て余してしまいがち。
いきなり本編に入るのは唐突すぎるし、かといって気の利いた話をするのはハードルが高い。セミナーにオープニングに悩んでいる後輩がいると、オープニングだけは台本を作っておくことを勧めていました。
そんなアドバイスをすると、今度は、どんな台本を作れば良いかと質問が来るのが目に見えている。その答えとなるような本はないかと前々から思っていたところ、今日、読んだ本がわかりやすかったのです。
それは、事業戦略コンサルタントのリップシャッツ信元夏代サンによる『20字に削ぎ落とせ ワンビッグメッセージで相手を動かす』(朝日新聞出版)。プレゼンに重心を置いた本ではあるものの、セミナーや研修の講師を務める方にも大いに役立つ内容です。
筆者が提唱するブレイクスルーメソッドの中には、オープニングの基本的な手法について次の4つに整理しています。
・ストーリー
・パワフルな質問
・驚きの事実
・引用
なるほど、なるほど。ボクがこのブログで使っている手法が、綺麗にまとまっています。こうして言語化されると、オープニングはこの4つから適したものを選ぶだけ。
ちなみに、今日のブログ記事は、「質問」を選びました。最初は、質問の形式とはしていませんでした。「話すときに、オープニングに悩むことがあります。」とストーリーのように話し始めていたのですが、ちょっと弱い。別に驚くような話でもなければ、自分の視点での語りのため、聞き手の関心も惹きにくい。
そこで、質問の形式に切り替えたのです。聞き手の視点にシフトできたため、比較してみるとオープニングの強さが増したと感じられます。こんな風に、この4つの手法は、オープニングの強さをコントロールできるのです。
もちろん、セミナーのオープニングは、他にも仕掛けの手法はあります。心理的なアプローチだったり、脳の機能的なアプローチだったりと。もっと言えば、オープニングの前から仕掛ける手法もあります。極めれば極めるほど、仕掛けるものが多い。
しかし、差し迫った状況の中で、セミナーのオープニングを何とか乗り切りたいという場合には即効性がある手法。あらかじめ用意された選択肢から選ぶだけですから。
このように「型」があることは、取っ掛かりにはとても有効。その型を超えていくのは、時間や深め方次第。守破離のフェーズを必ずしも登っていく必要はないからです。
オープニングは悩まないことを何とかしたいなら、この4つの基本的な手法は、とにかくオススメ。この中から選んでオープニングに悩まないか、あるいは、選ばずに悩んだままか。さあ、どちらをチョイスしますか。