Career

『言葉の力を高めると、夢はかなう』で固定観念に気づく

(記事にはプロモーションが含まれることがあります。) 

 気づかずにいたことを言語化できると、キャリア形成に役立ちます。自身が進む道に確信が持てますからね。今日は、ボク自身、深い洞察から、その確信を持つに至りました。

 そのきっかけとなったのは、人生実現コンサルタントの渡邊康弘サンによる『言葉の力を高めると、夢はかなう』(サンマーク出版)という本。言葉の力を高めるための「MUSEの法則」と、長期的に夢をかなえる「EMPOWERの法則」とによって人生のシナリオづくりを指南するもの。

 

 ボクがじっくりと考えてみたのは、第6章の「<EMPOWERの法則>6 最大の難関の出現」です。人生で難関が何度も繰り返されるのは、自身の負のストーリーにあるといいます。トラウマのループとも言い換えられます。

 しかし、自分のこれまで生きてきた中で、負のストーリーやトラウマのループと言えるほどの出来事が思い当たらない。とはいえ、最大の難関と呼んでも良い時期がいくつか挙げられます。負の状態からシフトしたいときもあれば、より良い状態にシフトしたいときもありました。そこで、これらを題材にして検討を進めていきます。

 

 次に、トラウマのループに気づくだけでも人生は変わるものと説明しつつも、それを突破するための方法も解説しています。それは、「禁じ手に許可を出す」こと。自身の思考をブロックするような固定観念とも言えるもの。ときには、その禁じ手を破ってみても良いと説きます。

 ボクの最大の難関を乗り越えたきっかけを思い出してみました。負のストーリーならぬ、正のストーリー。いわば、成功の要因です。振り返ると、いつも身近な人からのサポートがありました。常日頃、一緒にいる人よりは、少し引いた場所からボクのことを見ていた人。ベッタリとはせずに、良い距離感を保っている人です。

 では、なぜ、その人がサポートしてくれたかというと、ボクがサポートを依頼したため。ここに、自身の強い固定観念に気が付きました。「人に頼ること」が、ボクにとっての禁じ手だったのです。

 

 おそらくは、小学校5年のときから始めたボクシングが影響を与えているかと。もちろん、小学校にボクシング部なんてものは存在しません。学校の部活ではなく、地域にあるボクシングジムに通っていました。

 それまでは、どちらかというと自立はしていないタイプ。親や親戚などから甘やかされて育ってきました。それは愛情に他なりませんが、それをただ享受、いや消費していただけ。

 しかし、ボクシングとなると、そんなことは言っていられません。個人競技であることもそうですが、こちらが何もしないと対戦相手はパンチを繰り出してくる。殴られて痛い思いをするのは、何もしない自分。

 そのときに、自分ひとりで何とかするもの、という考え方が身についたのでしょう。また、当時はボクシングを通じて自信もついたことから、自立や自力を重んじる考え方がより強化されていきます。

 

 自立や自力そのものは、何もおかしくはない。ただ、その結果として、人に頼ることをよしとしない固定観念も強まっていったのです。人に助けてもらうことを「弱い」「負け」と変換されていった気がします。なので、なかなか人に頼ることがない。

 とはいえ、自分一人でできることには限界があります。反対に、誰かの力を借りることで、より大きく前進していくこともできます。ボクにとっての最大の難関では、「人に頼る」という禁じ手を使ったからこそ事態を変えてきたのだと、今、ハッキリと理解できました。

 

 それと同時に明確になったのは、成長志向の人との仕事が大好きだということ。自らの足で立って仕事をしている人と何かをすることが楽しくて仕方がない。「誰かがやってくれる」のではなく、「自らやる」という意気込みが心地よい。

 会計士の業務として、それが最も感じられるのは、IPO準備の現場。「誰かがやってくれるだろう」なんて思っていては、何も前に進みません。会社の方々はIPOに向けて、限られた時間の中で最大限の成果を出そうと奮闘しています。

 IPOに向けて、自立している人たち、前向きな人たちに対して専門家としてサポートする業務は、ボク自身が禁じ手を使って、つまり、サポートを得て事態を変えてきた成功経験があるからこそ楽しく感じられるのかもしれません。

 

 このように、この本をきっかとして、固定観念や正のストーリーなど普段なら気づかずにいたことを言語化できたのは、貴重な体験となりました。

 キャリア形成にお悩みのときには、この本でピンとした章について、30分ほど静かな時間をとって洞察を深めてみてはいかがでしょうか。どのような業務が好きなのかが納得できるかもしれませんよ。

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