会議が盛り上がるかどうかの見極めポイント。それは、発言する人がいるかどうか。つまりは、ツッコミができる人が参加していること。これがすべてと言っても良い。
ある議題が提案されたときにも、「質問はありません」「それで良いです」という返答しかないと、何も盛り上がらない。別に盛り上がることだけを求めているのではなく、会議の参加者の意識レベルの話。どこまでリアリティを持って考えているか、ってこと。
例えば、「これは自分のことじゃない」「自分が手を動かす訳じゃない」なんて考えて会議に参加していては、その場をやり過ごすことが優先課題。だから、建設的な意見を述べようなんて気持ちは微塵もない。それでは、良いものは生まれません。
これに対して、自分事と受け止めている人は、どんどんと質問をする。だって、自分がそれをすることを前提にしているから。自分ができないと困るため、多方面に注意を払うために、あれもこれも質問をします。
また、やんややんや言う人は、問題の所在をとことん掘り下げていきます。表面的な解決で終わることで満足するのではなく、根本的な原因は何なのかについて探究していくのです。
仮に「Aをしていない」という解決策が出された場合には、「それじゃあ、Aをすれば本当に解決できるのか」というように。多くの場合、Aをしても解決には至らない。つまりは、原因追求が浅いのです。
このように、会議が盛り上がるためには、換言すると、会議で良いものを生み出すためには、やんややんや言う人が欠かせないのです。ということは、議長はやんややんや言う人を参加させるべきだし、また、そういう人が誰かを常日頃、ウオッチしておくべき。
しかし、議長を務める人は、とにかく前に進むことを優先しがち。このことが招く悲劇は、やんややんや言う人が会議に出席していないことに気づかず、成果物が磨き上げられないまま現場に展開されていくこと。レベルの低い成果物や対応策が組織全体に広まり、かつ、その執行を強制されるのです。おそろしや、おそろしや。
だから、議長の腕の見せ所とは、建設的な意見を言ってくれる人をいかに会議に参加させられること。これは、Web会議をするときも同じ。
対面の会議と違って、Web会議だとちょっとしたことが言いにくい。議長の仕切り方によっては、話し出すタイミングを掴むのが難しい。だから、「ま、いっか」と言おうとしていたことを言わずに終わらせてしまう。
議長にファシリテーション・スキルがあれば、また違う運用が可能。然るべき方法論に基づけば、会議に参加している人すべてから意見を拾い上げることもできます。Web会議であっても、等しく意見を引き出せるのです。
しかし、議長のすべてがファシリテーション・スキルを持っている訳ではない。となると、やんややんやと、組織全体の観点から意見を言ってくれる人を捕まえておくことが大事になってきます。
そのためには、まず、こいつは必ず参加させると考える人をあらかじめ選定しておくこと。次に、その人が参加できるように日程調整すること。例えば、「竹村だけは参加できる日程で、しかもWeb参加じゃなく現地参加できる日程で開催する」というように。
本気で無駄なことをしたくない経営者なら、こうした問題解決力に加えて、問題発見力を備えた人物を確保すべき。そうじゃなければ根本原因に辿り着けないことから、いつまで経っても浅い問題解決策に終始するため、同じ問題が繰り返して生じます。で、時間と労力とコストが無尽蔵に投入されていくのです。ホントにそれで良いのですか。
会議を盛り上げるなら、議長が問題解決力と発見力がない場合には、ファシリテーション・スキルを持った人に仕切らせることをオススメします。そういう人が組織の中にいないなら、外に頼るしかない。
そのコストをもったいないと感じるか、あるいは、今までと同じ会議で時間と労力とコストを無駄に費やし続けていくか。それを選ぶのは、経営者しかいません。