Accounting

ASBJに提案「基準開発の予見可能性の高め方」

(記事にはプロモーションが含まれることがあります。) 

ASBJサンで検討している中に、「見積りの不確実性の発生要因」に関する開示があります。会計上の見積りのうち不確実性の高いものについては、その発生要因について記述されるもの。ボクは財務報告の観点から、この行方にウオッチしています。

 そんな中、今日、ASBJサンから、2019年10月30日現在の「現在開発中の会計基準に関する今後の計画」の改訂がリリースされました。いやいやいや、ビックリしましたよ。「そりゃないぜ、ASBJサン」って感じ。

 その「見積りの不確実性の発生要因」に関する開示について、同日の2019年10月30日、企業会計基準公開草案第68号「会計上の見積りの開示に関する会計基準(案)」を公表していると記載されているじゃありませんか。

 でもね。前回の「現在開発中の会計基準に関する今後の計画」がリリースされたのは、2019年7月4日。4ヶ月近く前のこと。そこでは、「見積りの不確実性の発生要因」に関する開示について、開発の目標時期は特に定めていないと記載していたのです。

 たった4ヶ月前のことですよ。今後の計画ですよ。前回のリリースでは開発の目標時期を定めていなかったと言っていたのに、今回のリリースでは公開草案をもう出しているというのです。

 幸い、ボクはウェブ・キャストで審議の経過を追っていたので、公開草案を出す段取りに入っていたことを知っていました。できるだけ早く公表すべく努力されていたことにも頭が下がります。それは大変なことは重々承知しています。

 ただ、「現在開発中の会計基準に関する今後の計画」だけを見ていると、4ヶ月の間に公開草案まで公表されているのは、サプライズ過ぎるかと。

 もちろん、KAMや記述情報といった関連する制度とは関連せずに開発していた背景があるため、開発の目標時期を定めにくかった面もあるでしょう。反対に時期を定めると、これらの制度と関連しているような印象も与えかねない。すると、もっと早く開発するプレッシャーだけがかかってしまう。結果、これらの制度に引きずられて開発しかねない。

 また、「現在開発中の会計基準に関する今後の計画」における「開発の目標時期は特に定めていない。」という記載にも嘘はありません。実際、時期を定めることなく開発を進めてきたことはウェブ・キャストを見ているため、そこに嘘はないことも理解しています。

 しかし、「現在開発中の会計基準に関する今後の計画」という文書は、会計基準の開発に関する予見可能性を高めるために公表している性格があります。その文書から、3,4ヶ月後に公開草案を公表していることを予見できないことが残念なのです。

 確かに、その文書に「開発の目標時期は特に定めていない。」と記載するしかないことは理解できます。とはいえ、この記載では、まだまだ時間がかかる印象を与えても仕方がない。近々に公開草案がリリースされるニュアンスを読み取ってもらうことを読み手に期待することは厳しい。

 それもこれも、「現在開発中の会計基準に関する今後の計画」という文書の公表が、一定期間を置いていることに原因があります。短期間で頑張って開発を進めてきた案件は、前回の文書のリリース時点と今回のそれとのはざまに埋まってしまうため、サプライズにならざるを得ないのです。

 そこで、文書での公表はやめて、ホームページで逐次、発表してはいかがでしょうか。次回のASBJで公表議決にかけましょうと審議された時点をもってアナウンスをするのです。何月何日開催予定のASBJで承認されると、公開草案をリリースする手続に入りますよ、と。

 これなら、文書のリリース時点のはざまに埋まることなく、会計基準の開発に関する予見可能性を今以上に高めることができます。コストだって、かかるものじゃない。「現在開発中の会計基準に関する今後の計画」という文書はすでに作成しているため、これをホームページ上で逐次、改訂していくだけ。

 この提案よ、ASBJサンに届け。予見可能性にサプライズはもっとも似合いませんから。

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