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言い換えの応用技に気づいたのは誰だ?

(記事にはプロモーションが含まれることがあります。)  

言葉の表現って、面倒なものなんかじゃなく、ホント、面白いものなんです。今朝は、最寄り駅に向かう途中で、「言い換えの技」について発展形を考えていました。

この「言い換えの技」とは、先日のブログ「執筆でボクが使っている『言い換えの技』」で紹介したもの。Aという文章の次に、Aを言い換えたA’を挿入する。同じ内容を別の表現で繰り返すことによって、説明が丁寧になります。

言い換えの技をもっと使いやすいように法則化できないかと、考えながら歩いていました。より再現性のある活用の仕方はないかと。

そのときに、反対語を使うことを思いつきました。また別の日のブログ「セミナー参加者を本編に巻き込む作法」で書いた内容とリンクしたのです。

ブログでは、必ず誰もが当てはまる「A or Not A」という言い方を紹介しました。「○○について取り組んでいる人もいれば、まだ取り組んでいない人もいるでしょう」という表現。この「not A」が、言い換えの技にも応用できそうだと直感したのです。

例えば、「これは始まりだ。終わりではないんだ」という言い換え。「始まりだ」と終わることなく、反対語を否定する形で「終わりではない」と続けていく。こうすることで、伝えたい内容が強調されることに気づきました。

この順番をひっくり返すことによって、「これは終わりではない。始まりだ」と言い換えることもできます。これによっても強調される点に変わりはない。

この2つの違いは、どちらを強調するか。後に来るほうに力点が置かれるのです。「これは始まりだ。終わりではないんだ」なら、終わらないことを強調します。一方、「これは終わりではない。始まりだ」なら、始まることを強調します。

すると、この言い換えの技は、前に挿入する使い方になります。終わらないことを伝える文章だと、素直に「これは終わりではない」と書いておしまい。ここで、終わらないことを強調するなら、その前に、反対語の否定を挿入するのです。すると、「これは始まりだ。終わりではないんだ」という文章が出来上がります。

なるほど、反対語の否定を使うときには、前に挿入するのが良い。これは、今まで意識していませんでした。先日のブログで意識していたのは、同じ内容を別の表現で繰り返すため、文章の流れとしては、Aと書いた後にA’と続けるしか考えていませんでした。

しかし、今回の言い換えの応用技を意識的に使うなら、Aと書いたときに、Aを強調するなら、その反対のBを否定する文章をAの前に挿入する。法則化すると、「Not B, A」となりますね。

ちょうど今、このブログを書いている横で、テレビで「画期的なアイデア」という言葉がありました。これに言い換えの応用技を使うなら、こんな3ステップにできます。

ステップ1は、「画期的」の反対語を考える。「平凡」が思い浮かびました。ここで反対語の辞典を利用するのもアリ。あまり辞書的な意味での反対語に拘らなくてもよいでしょう。

ステップ2は、反対語を否定する。「平凡ではない」となります。

ステップ3は、反対語の否定を文章の前に挿入する。「これは、平凡なアイデアではない。画期的なアイデアなんだ」と。

おっ、いい感じで3ステップにできましたね。では、もう一例。今、テレビに映っている「~に予想外結末」を題材にしてみます。すると、「~は予想できたものではない。予想外の結末だったのです」とできます。

この3ステップ化が予想外の結末だったので、今回のブログの冒頭分にも使ってみました。その効果はいかがでしょうか。

なんだか凄い発見をした気になっていましたが、「あれ、これって、あの本に書いてあったような」と記憶を探ってみると、同じ説明が記載されていました。それは、2013年に発売された、コピーライターの佐々木圭一サンによるベストセラー『伝え方が9割』(ダイヤモンド社)。

ボクの記憶の底に眠っていたのでしょう、6年後にそれを取り出したってワケ。すでに法則化されていました。ボクが発見したんじゃないのが、ちと残念。

ただ、自分で気づいた形になっているため、これからは意識的に活用していけます。今まで使えていなかったこの技を、今回のブログでも、ちょいちょい使っていますし。お気づきになりましたか。

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