オーディエンスの反応は、ホント、わからない。今日、所属する事務所ではない会計士に向けて、あるテーマで研修の講師を務めました。
かなり、構成も練って、スライドも今のボク流に作っての、万全の体制。これで、ボクの伝えたいメッセージは伝わらなくないだろうと、渾身の作品。今日、披露する日が待ち遠しいくらいでした。
で、今日は、それを披露する場。予定どおりに研修を進めていきます。思惑通りの時間配分で進めていくことができています。途中、信頼する後輩クンにバトンタッチするものの、かなり期待どおりの進捗。また、バトンをもらい返して、最終局面を迎えます。
このように予定どおりの進捗ながら、どうも、しっくりとこない。スピーカーのボクらが浮いている感じが拭えなくて仕方がない。オーディエンスを置いてけぼりにしている感覚に囚われているのです。
こうして、予定通りの進捗で研修が終わり、懇親会に向かいます。いつものような手応えがなかったため、「ああ、期待に応えら得ない研修をやっちゃったのか」と反省したものです。どこで間違ったのかと、そのポイントがまったくわからない。
そんな風に落ち込みながら、懇親会に参加したところ、驚くべき光景を目にしました。参加者のひとりが、ボクのメッセージを100万パーセント受け取ったようで、研修で伝えたことをご自身の組織のトップの方に力説していたのです。
そう、ボクのメッセージに、めちゃくちゃ反応してもらっていたのです。だったら、もっと会場で盛り上がって見せてよ、と想いながらも、研修の場と懇親会の場とではまったく反対のリアクションをしていたのです。
思い出したのは、経営コンサルタントの神田昌典サンのお話し。あれだけ、参加者を前のめりに巻き込む神田昌典サンが、ある企業に呼ばれて研修講師を務めたときのこと。参加者の反応があまりにもなかったと言います。
そこで、今日の研修は期待したとおりに受け止められなかったかと残念に思っていたところ、帰りのエレベーターで一緒になった参加者から、こんなに感動した研修は受けたことがなかったと話されたといいます。そう、研修のときの反応とまったく違うリアクションをみせたのです。
思うに、管理系の人たちは、研修の場で感情を表に出すことが苦手。つい、腕組みしながら、講師を試すような態度を示してしまします。本人の思惑とは別に、表にでる態度はきわめて対戦的。
しかしながら、実際には、研修の内容に感動しきり。だからこそ、研修が終わった後のエレベーターで、感動したと熱く語るのです。講師からすると、「それ、研修のときに示してよ」と思うようなことを、後の場で返してくるのです。
このように日本では、参加者のリアクションが薄いと感じていても、実際にはメッセージを熱く受け取っていることもあります。特に管理系の人たちは感情を表に出してはいけないと幼いときから躾けられているか知りませんが、驚くほどにリアクションが薄い。
あるとき、知り合いの人が、会計士の集まりで研修の講師を務めたときに、あまりにもリアクションがなくて驚いた話を聞いたことがあります。それほどまでに、会計士という人たちは、研修に対するリアクションが薄いのです。
そう言いながら、いつもなら、もっと手応えを感じるのに、今日はさっぱり。あれ、ボクのメッセージが外れてしまったのかと、引退を検討したほど。しかし、いざ、研修が終わると、ボクのメッセージをしっかりと受け止め、また、組織のトップにそれを迫るほどの勢い。
その光景を見て、今日の研修の成果があったと理解しました。教訓、研修のリアクションで研修の成果を図ってはいけない。その後に、どんなステップを踏んだのかが、はるかに大事。そういう意味でも、懇親会への参加は大切。
でも、まあ、研修の目的を果たせて良かったです。研修後のお酒が美味しかった2020年1月15日でした。