Business model

ビジネスホテルが宿泊客をどう扱うかは、ビジネスモデル次第

(記事にはプロモーションが含まれることがあります。)  

最近、とあるサイトやアプリのテレビコマーシャルが気になります。いや、正確には、それを活用している企業のビジネスモデルのほうが気になる。

 テレビコマーシャルで描かれているのは、ホテルに訪れたお客さんがチェックインをしているときに、横に現れたお客さんのほうが安い料金であることに驚いている様子。何か安くなる条件があるのかと思いきや、それでもない。たんに、宿泊料金を比較したうえで安いプランを検索できるサイトもしくはアプリを活用しているから、というオチ。

 ここでビジネスモデル的に気になったのは、カスタマーリレーションシップ。顧客とどういう関係を築いていきたいのかという考え方や姿勢、戦略のほう。

 コマーシャルによれば、そのサイトやアプリを利用すると、安ければ良いと考えるお客さんが押し寄せます。もちろん、サービス内容も考慮にいれるのでしょうが、最優先される基準は価格。

 ボクはというと、自分の価値を認めてくれる顧客とお付き合い、すなわち、ビジネスをしたいタイプ。とにかく安けれりゃいいという顧客ではなく、ボクから提供を受けたいという顧客と仕事をしたい。後者の顧客には全力でサービスを提供したいと思うのが人情ってもの。

 もっとも、この違いに良し悪しはありません。どういうビジネスモデルを選択するかによるため。低価格を売りにするコストリーダーシップ戦略を採るのか、あるいは、高付加価値を売りにする差別化戦略を採るのか、の違い。低価格がいけないと言いたいのではありません。

 気になったのは、低価格を享受できる顧客が、そのサイトやアプリを利用した人に限られる点。たまたまサイトやアプリを利用した人のほうが、常連さんよりも優遇されかねないのです。これでは、宿泊施設やサービスが気に入ったから繰り返して利用してくれる継続客よりも、値段が安いから来た一見客のほうがおトクになってしまう。

 ホテル業界では、旅行代理店に顧客獲得を依頼していることが多い。その結果、代理店への手数料の差や代理店の販売の仕方によって宿泊料金に差が生まれることも知られています。

 とはいえ、ホテルと直接やりとりするよりも、ホテルとは別のサイトやアプリのほうを通したほうが安いとなると、納得感が薄い。何か条件があるからではなく、そのサイトやアプリを知っているかどうかの差で料金が違うと、常連さんを築きにくい。

 確かに、値段だけの常連さんもいるのでしょうが、他のホテルが安くした瞬間にそっちに移ってしまう。これでは、ビジネスが安定しません。

 いかに、常連さんが多いか、継続してサービスを利用してくれる顧客が多いかが、ビジネスを安定させます。サブスクだって、一見客を継続客に変えるための工夫とも言えますからね。

 実際、自社サイトから予約を入れた顧客には、最安値を提供しているビジネスホテルも存在していますからね。このビジネスホテルは顧客の利便性を優先にしているため、何かと快適。だからボクも、そのビジネスホテルを良く利用しています。

 どのような顧客を対象とするのか、その顧客に何を提供するのか、顧客にどのような方法で提供するのか、顧客とどのような関係性を築くのか、顧客からどのように収入を得るのか。ビジネスモデル・キャンバスを見ると分かるとおり、どれもが密接に整合するのが良い。

 とにかくお客さんを呼び寄せようと値下げに走ってしまうのか。それとも、ビジネスモデルとして成立するような事業活動を行っていくのか。あなたのビジネスのスタイルは、どちらでしょうか。

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