ビジネスで、ブレイクしたい。取り扱っている商品が爆発的に売れる、自分自身に脚光が当たる、引き合いが絶えない。
そんな風に、自身が提供する価値をより多くの人に届けたいと考える人は多いのではないでしょうか。良い商品を扱っているのに、良いサービスを提供できるのに、なぜ、オーダーが来ないのかと。
この悩みの原因は、認知されていないことにあります。ビジネスモデル的にいえば、チャネルに課題がある。顧客にどう認知してもらうためのマーケティング活動が弱いのです。
「え~、ビジネスモデルと言われても・・・」と尻込みしてしまうときには、ミュージシャンで考えてみるのがオススメ。ビジネスモデルよりもミュージシャンのほうが身近な分、イメージしやすいから。解決策がより具体化しやすくなるのです。
普通の人が売れるミュージシャンになるためには、一体、どうすればよいでしょうか。反対に、売れない原因は何でしょうか。
音楽の才能があると考えているから、いつかは売れるミュージシャンになれると思い込んでしまう。もっとも、売れるためには才能が必ずしも必要になるワケでもありませんが、そこを議論すると長くなるため、とりあえずセンスやスキルを備えているとしましょう。
このとき、才能があったとしても演奏を披露することがなければ、人に知られる機会が得られません。路上でも、ライブ会場でも、商業施設のイベントスペースでも、人目に触れることがなければ、どんな音楽なのかを知ってもらえない。
もちろん、自宅に居ながらもSNSを通じて、世に自身の音楽を発表することもできます。オフラインの場なのか、オンラインの場なのかを問わず、世間に発信しなければ、認知されません。
ビジネスも同じで、売れたいと考えていながらも認知される努力をしなければ、ブレイクすることは難しい。これは、楽曲を何も発信していないのに、音楽プロデューサーがいきなり自宅にやってきて「キミ、プロにならないか」と声をかけられるのを待っているようなもの。
だから、より多くの人目に触れる機会を持つことが大事。それは広告という形もあれば、試食、視聴、体験会などの形もあるでしょう。その結果として興味を持つ人は一定割合で存在するため、できるだけ多く認知してもらうほどに販売に至りやすくなります。
そういう意味では、メディアの力は大きい。メディアでも、1万人の前に置きにいけるよりも、100万人の前に置きにいけるほうが効果的。マスメディアの価値はここにある。
しかし、それはさまざまな属性の人に向かって発信するため、多くの母集団が必要になるだけ。もし、属性が同じ人に向かって発信するなら、そこまで大きなメディアでなくても問題なくなります。
ケーキを売りたいなら、ケーキが好きな人が集まっているところに宣伝する。ミュージシャンとして売れたいなら、音楽が好きな人が集まっているところに配信する。そんな人たちのリストに価値が生まれます。
つまり、リストとは、人目に置きにいく母集団から販売に至る確率を高めていく一つの方法といえます。属性がバラバラなときの一定割合を引き上げるために、反応が高いと期待される属性を特定していくのです。そりゃ、確率は高まります。
この究極が、キーとなる人の目の前に置きにいくこと。ミュージシャンでいえば、いくら路上で歌っていても、プロデューサーが目の前を歩いていなければ引き上げてもらえない。プロデューサーの耳に口コミしてくれる人がいなければ、存在を知ってもらえない。
これに対して、身近に音楽プロデューサーがいる環境だと、はるかに目にとまりやすい。いわゆる二世と呼ばれる人たちは、親のそばに業界に人が集っているため、引き上げてもらいやすいのです。そんな環境に身を置いていることが、成功の確率を高めている。
こうしてミュージシャンに置き換えてみると、認知の仕方が想像しやすくなります。ここまで聞いても、あなたのビジネスはまだ自宅に居続けますか。