文豪ゲーテが開示責任者なら、財務報告の流儀を求めたことでしょう。「一つのことが万人にあてはまりはしない。めいめい自分にふさわしい流儀を求めよ」と話していたのだから。
そこで、KAM(監査上の主要な検討事項)を早期適用した事例から、財務報告のあり方について考えていく連載が、この「財務報告の流儀」シリーズ。今回は、次の事例を取り上げていきます。
(1)事例
証券コード 8697
会社名 ㈱日本取引所グループ
業種 その他金融業
開示書類 有価証券報告書
決算日 2020年3月31日
監査法人 有限責任監査法人トーマツ
会計方式 IFRS基準
(2)早期適用によるKAM
連結財務諸表に対するKAM
- 収益認識に関するIT統制の評価
- ソフトウェア及びソフトウェア仮勘定の評価
- 株式会社東京商品取引所の連結子会社化
個別財務諸表に対するKAM
- 関係会社株式及び関係会社出資金の評価
今回の事例から学ぶべきポイントは、次の3点です。
- 来期も同じKAMが報告される場合の実務上の工夫
- システム投資で忘れがちな会計上の論点
- KAM決定理由で珍しかった「通例ではない取引」
同社の有価証券報告書をご準備いただき、実際の開示を確認しながら、財務報告のあり方を学んでいきましょう。いかに財務報告を良くしていくかに真摯に向き合っている人だけ、この先にお進みください。(注:無料の「財務報告の流儀(お試し版)」はこちらから。)
P.S.
この解説がベースになった書籍『事例からみるKAMのポイントと実務解説―有価証券報告書の記載を充実させる取り組み―』(同文舘出版)はこちら。