Accounting

財務報告の流儀 Vol.047 中外製薬、あずさ

(記事にはプロモーションが含まれることがあります。) 

文豪ゲーテが開示責任者なら、自社に固有の情報を記載したでしょう。「一つのことが万人にあてはまりはしない。めいめい自分にふさわしい流儀を求めよ」と話していたのですから。

そこで、早期適用されたKAM(監査上の主要な検討事項)の事例から、財務報告のあり方を考える連載が、この「財務報告の流儀」シリーズ。今回から、2020年12月期の事例を取り上げていきます。

今回は、見積りと判断の違いがポイントです。

(1)事例

  • 証券コード 4519
  • 会社名 中外製薬㈱
  • 業種 医薬品
  • 開示書類 有価証券報告書
  • 決算日 2020年12月31日
  • 監査法人 有限責任あずさ監査法人
  • 会計方式 IFRS

 

(2)早期適用によるKAM

連結財務諸表の監査報告書に記載されたKAM

  • 利用可能でない製品関連無形資産の減損の判定に関連する製品化の可否に関する判断の妥当性
  • エフ・ホフマン・ラ・ロシュ・リミテッドとの取引の移転価格調整に係る判断の妥当性

個別財務諸表の監査報告書に記載されたKAM

  • エフ・ホフマン・ラ・ロシュ・リミテッドとの取引の移転価格調整に係る判断の妥当性

(ただし、連結のKAMと同一内容であるため、記載が省略されている。)

 

(3)今回の事例から学ぶべきポイント

  • 見積り開示会計基準への的確な対応のために知っておきたい用語の使い分け
  • 経営者の判断に絞り込まれたKAMの優良事例
  • 単体KAMの省略規定に関する表記の違い

ここから先の解説は、野次馬的に重箱の底を突くような人には向いていないため、有料コンテンツとしてハードルを設けています。いかに財務報告を良くしていくかについて真摯に向き合っている人に限り、ご購読ください。

(注)2020年3月期の早期適用事例の分析については、書籍『事例からみるKAMのポイントと実務解説―有価証券報告書の記載を充実させる取り組み―』という形でまとめております。

 

 

会員の活動を活発化させる、日本監査研究学会の取り組み前のページ

2020年12月期のKAM早期適用事例は、一体、何社だったか次のページ

関連記事

  1. Accounting

    対話を知らない経営者たち

    ただ話し合うだけで「対話」になると思うなら、あなたは対話のことを何も…

  2. Accounting

    『コロナショックから始まる変容のプロセス』から捉え方を学ぶ

    転がり出る空間が核をなす。つまり、あなたが今、取り組んでいることの結…

  3. Accounting

    財務報告の流儀 Vol.010 武田薬品工業、あずさ

     文豪ゲーテが開示責任者なら、財務報告の流儀を求めたことでしょう。「…

  4. Accounting

    『リースの数だけ駆け抜けて』第13話「専門家という壁」

    2025年6月中旬。梅雨の晴れ間から差し込む光が、会議室の窓を通して…

  5. Accounting

    財務報告の流儀 Vol.004 綿半ホールディングス、太陽

     もしも文豪ゲーテが、財務報告に携わったなら。「一つのことが万人にあ…

  6. Accounting

    有報の英訳とKAMの決算スケジュール影響

    あなたの会社で有価証券報告書を公表している場合、それを英訳しているで…

  1. Accounting

    新刊の見本が届きました!
  2. Accounting

    新型コロナウイルスと監査人の交代
  3. Accounting

    【セミナー】上場企業へのKAMインパクト
  4. FSFD

    8割が『大変参考に』、実務直結のSSBJ基準(案)セミナーが好評
  5. Accounting

    財務諸表の表示チェックリストをアプリ化したら
PAGE TOP