Accounting

映画監督のディレクターズ・カットのような執筆

(記事にはプロモーションが含まれることがあります。) 

映画が公開された後、DVDやブルーレイになるときに、「ディレクターズ・カット」が収録されることがありますね。

ディレクターズ・カットとは、映画監督が、「本当はこういう映画にしたかったんだよね~」という構成で編集しなおした映画のこと。商業映画では興行上やスポンサー上など、さまざまな制約があります。そのため、必ずしも監督が作りたい内容で映画を公開することができない。

そこで、DVDなどで、公開版にはないシーンを収録したり、異なるシナリオで話が進めたりと、監督が思う内容に仕立てることがあります。これが、本来の作品だ、と。

ボクも、そんなディレクターズ・カットを公開したい衝動にかられることがあります。とはいっても、映画の編集ではありません。それは、執筆やセミナーのこと。言うなれば、「著者ズ・カット」や「講師ズ・カット」。

雑誌に寄稿するときの執筆では、誌面の制約があるため、ページ数つまりは文字数に限りがあります。また、セミナーでは、予定時間に終わらせる制約があります。これらの制約以上にコンテンツを作ってしまうため、「本当はこう書きたい、話したい」という気持ちになるのです。まるで、映画監督のディレクターズ・カットのように。

今、手掛けているのは、KAMの分析。2021年3月期に強制適用されたKAMについて、解説を行います。

最近、2021年3月期のKAMに関する分析結果があちこちで発表されていますね。それを拝見して思うのは、「あれ、その論点、まだまだ掘り下げられるのに」という、もったいなさ。つい、「もっと踏み込もうよ」と呼びかけそうになります。

最近は、会計専門誌『旬刊経理情報』(中央経済社)サンで、英国のKAMについても記事を書く機会があるため、海外との比較からも論点が浮かびます。もちろん、日本のKAMについても、『事例からみるKAMのポイントと実務解説―有価証券報告書の記載を充実させる取り組み―』(同文舘出版)を書きあげるほどに掘り下げているため、ネタには尽きません。

今日は、2021年3月期に特徴的なアノ論点について執筆していました。これ、おそらく、他では言及されていない内容のハズ。なかなか深く切り込んだ分析のため、企画の中で目玉となる部分。

3,000字程度を割り当てたうえで執筆を始めたのですが、やはり、書き始めると止まりません。図表抜きで3,000字オーバー。他の部分も、ボクの中で割り当てた文字数を超えるんだろうな、きっと。おそらく。確実に。

まだ初稿にも至っていないため、あとで何とかします。って、一体、誰に向かって話しているんだろう。それは置いておいて。

こんな感じでコンテンツ満載のため、文字数や時間の枠を取っ払いたくなるのです。映画監督がディレクターズ・カットを作りたくなる意味がよくわかります。そういう意味では、単行本の執筆では、これまで文字数の制約がなかったため、気兼ねなく書き進めていけます。まさに、著者ズ・カットで仕上げられるのです。

あっ、単行本といえば・・・、これも同時並行的に進められるように工夫していますので、ご安心ください。って、これも誰に向かって話しているんだ。

そうそう、今日の執筆は、年末近くに発売の予定です。ただ、その前に予定されている、少しクローズドな場でのセミナーでもお話しできればと考えています。ぜひ、お楽しみに。

P.S.

最近、旬モノの記事を書く機会が増えました。ディレクターズ・カットとして、寄稿したときよりもページ数を増やせます。何とか集めて単行本にしたいところだけど、旬ネタじゃ、厳しいかな。

寄稿「英国の開示事例から学ぶ 収益認識基準への監査役等の対応ポイント」前のページ

ボクは、KAMバカ次のページ

関連記事

  1. Accounting

    アニュアルレポートの探し方のトリセツ

    あなたは作ったことがあるでしょうか、トリセツ。そう、取扱説明書です。…

  2. Accounting

    だから、収益認識は注記が大事なんだってば

    やっぱり、収益認識の新基準って、最初から注記もセットにして公表すべき…

  3. Accounting

    KAM、KAM、エブリディ

    こんにちは、企業のKAM対応のスペシャリストの竹村純也です。…

  4. Accounting

    有報に人的資本を開示すべき理由がわかります

    今日は2023年1月22日。先週末の時点では、有価証券報告書にサステ…

  5. Accounting

    企業価値を守る!最新「見積開示」の秘訣と実務の要点を徹底解説

    企業が行う見積開示は、投資家や利害関係者にとって重要な財務情報を提供…

  6. Accounting

    会計上の見積りの開示への準備はできていますか

    こんにちは、企業のKAM対応のスペシャリスト、竹村純也です。…

  1. Accounting

    財務報告の流儀 Vol.047 中外製薬、あずさ
  2. Accounting

    『監査の品質に関する研究』からKAMの課題を学ぶ
  3. Accounting

    寄稿「企業が看過してはいけない、KAMのあの記載」
  4. Accounting

    有報の記述情報を経営者視点で書く方法
  5. FSFD

    実務対応基準の必要性浮上:混乱回避のためのSSBJの対応
PAGE TOP