もしも、採血する看護師さんになったら。
あっ、コスプレとか、そーゆー話じゃなくて。相手の視点にシフトしたら、という話。そんな話をしているのは、採血のときに、「血管が見えにくい」と言われることがあるから。
その結果、どうなるかというと、注射の針が血管にうまく刺さらない。刺さらなさ具合によっては、かなり痛い。「アカンところ、刺してるで〜」とツッコミたくなった経験もあったほど。
一度、「太っているからですか?」と尋ねたこともありますが、そういう理由ではないとの返答。脂肪で血管が見えにくくなっているじゃないらしい。
今日の採血は、無事、一回で終わったので一安心。ただ、ふと気になって、ネットで「採血 血管が見えにくい」と検索してみました。
すると、出るわ出るわ、採血の対策を解説している記事が。それらは看護師さんに向けて書かれたもの。ボクみたいな採血しにく相手に苦労しているようです。
血管が見えにくいときの対策として挙げられていたのは、反対の手に変えてみるとか、親指を中に入れて握ってもらうとか、トントン叩いてみるとか。あっ、これ、いつもボクがされているヤツだと苦笑い。
その中でも、落ち着くことを勧めているアドバイスも多かったです。
確かに、ボクの採血のときにも、何をやっても血管が見えにくいと、こちらから見ていても看護師さんが焦っているのがわかります。一度目を失敗すると、その焦りがさらに増していきます。二度目も失敗すると、もはや焦りどころではありません。そんな状況では、見える血管も見えなくなりますよね。
その反対に、一発で採血が完了する看護師さんは、いかにもベテランな感じの人が多い。要は、落ち着いているのです。
そんな看護師さんの視点に立つと、ボクだけが不安になっているのではなく、看護師さんもプレッシャーの中で血管を探していたことを理解できました。ボクの不安が伝播している可能性もあるため、これからは、こちらからリラックスした方が良いと思った次第で。
こうして相手の視点に立つと、わかることってあります。ビジネスでもそう。いかに相手の身になれるかで、見えてくる世界が違います。
経営コンサルトの神田昌典サンの著書『全脳思考』(ダイヤモンド社)を読んだときに、それをしみじみと理解できた話がありました。
神田昌典サンが次回の執筆に向けての構想を考えていたときのこと。アイデアを出すために、仮面ライダーの視点を体感してみたといいます。このときの仮面ライダーのなりきり方が秀逸なんです。ゴムスーツに足を差し込み、腕を通し、仮面を被ったときの感想が、これ。
「周辺一帯が赤く染まっていた」
なるほど、仮面ライダーの目の部分は赤い。そんな仮面を被れば、世の中は赤く映る。間違いない。
そんな身体感覚があったことに、ボクは衝撃を受けました。まだまだ頭だけで考えようとしている、そんなんじゃ相手に寄り添っていないと、思いっきり頭を殴られたよう。
果たして、あなたのビジネスで、顧客に寄り添うことができているでしょうか。体感覚で相手の視点にシフトできているか。もしも顧客が仮面ライダーなら、「目の前が赤い」と言えるほどの身体感覚をしているか。
それができると、あなたの看護師さんも焦らずに血管を探し出せるようになれるかも。
P.S.
この本にある「ムーブメントを起こした一通の手紙」は、セールスレターとして学びが多く得られる最高の教材。呼びかけしたいことがあるときに、大いに参考になり、また、結果も得られるハズ。
・神田昌典『全脳思考』