Business model

冷やし中華からの組織内イノベーション

(記事にはプロモーションが含まれることがあります。) 

今日は、とある中華屋さんへランチに行きました。以前は、お昼も夜も通っていたお店。あまりにも頻繁に行っていたため、「いらっしゃいませ」ではなく「こんにちは」と挨拶されるほど。

 そんなお店に、1ヶ月ぶりに顔を出しました。そこまで期間が空いたのは、ボクが所属する事務所が、先月、駅近くに事務所を引っ越したため。その中華屋から少し遠のいてしまったのです。

 ゴールデンウィークのため、事務所で仕事をしていました。というのも、ボクが所属する会計士業界は、昔からゴールデンウィークが、一年で一番の繁忙期だから。

 会計士の仕事は、決算書が適正に作られているかどうかを検討すること。会社さんが決算を締めたあとじゃないと仕事ができない。日本では3月決算の会社が多いため、ゴールデンウィーク近辺が繁忙期になるのです。

 今日は、お昼はお天気が良かったため、散歩もかねて、その中華屋さんまで足を運びました。ちょうど入り口にいた女将さんが笑顔で迎えてくれます。「こんな日も、お休みじゃなく、仕事なの?」と声をかけてもらって、なんだか、ほっとしました。

 この気持ちを分析してみました。ボクの結論は、仕事というコミュニティから離れて、中華屋さんという別のコミュニティで迎え入れられたことに安心感を覚えたから。あるコミュニティで少し疲れたら、別のコミュニティでリフレッシュするのです。

 これは何も特別なことではありません。みんな、普通にやっていること。例えば、職場と家庭や自宅だったり、学びの場と趣味の場だったりと。以前に、このブログで、世界的なマーケッターであるダン・ケネディの格言「ビジネスで最悪な数字は1だ」を紹介しました。1つだけの商品や販売ルート、顧客セグメントなどに頼っているのはリスクと説くものです。

 これ、コミュニティにも当てはまります。コミュニティがひとつだけだと、そのコミュニティでうまくいかないことがあったときに、対処できないことがあるからです。

 例えば、学校や職場などのコミュニティを考えてみます。そこで、人間関係がうまくいかない、成果が出ない、評価されないといった局面に立たされたとしましょう。このときに、そのコミュニティの中で自分自身が置かれた環境を切り替えることが難しいケースがあります。切り替えるどころか、逃げ場所すらない。

 しかし、別のコミュニティがあるなら、そこで自分自身を保つことができます。自己肯定感かもしれないし、安心感かもしれません。いずれにせよ、救われます。

 そういう意味では、副業禁止なんて規定は、コミュニティの観点からは望ましくない。ひとつの職場で上手くいかないことがあっても、別の職場で活躍できるなら、その人は救われます。

 現状の働き方では、睡眠時間を除き、また、通勤時間を含めると、一日の時間の半分以上をひとつの職場で過ごします。メンタルを保つなら、別の職場でも働くことを認めるべき。

 副業を認めるときのメリットもあります。例えば、ある職場で提供できない経験を、もうひとつの職場で提供できるなら、その人は今以上に成長できます。これは、個人としてのメリット。また、ある職場の成果を持ち帰えることで、もうひとつの職場が活性化することも期待できます。これは、組織としてのメリット。

 いろんなバックボーンをもつ人たちが集まる組織のほうが、画期的なアイデアは生まれやすい。つまりは、イノベーションが生まれやすいのです。コンサルを頼むことなく、自社にいる人たちからイノベーションが生まれるのです。

 2019年にもなっているし、元号も令和に変わったし、そろそろ副業禁止規定を設けることを禁止にしてはどうでしょうか。10年以上も前から提唱されている、この提案。

 ところで、今日の中華屋で注文したのは、冷やし中華。季節的に「冷やし中華、始めました」が現れ始める頃。もちろん、冷やし中華を注文しましたよ。麺のうえには、キュウリに錦糸卵、チャーシュー、ハムと、さまざま具材がたっぷりと乗っています。やはり、いろんな具材があるほうが冷やし中華は美味しい。組織内のイノベーションと同じですね。

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