今日は、12月24日。明日は、クリスマス・イブ。恋人同士や友だち、家族との大切なイベントを予定している人も多いでしょう。
そんな楽しいクリスマス・イブに、残業になった経験があります。はるか昔の12月24日に、ある先輩会計士と一緒に、クライアント先に仕事に行っていました。
そのクライアントの建物の一階には、飲食店が入っていました。経理部の階に行くには、その横を通っていきます。季節柄、クリスマスで華やかな装いを横目で見ながら、経理部の階へと上っていきました。
17時も過ぎ、そろそろ終わりかなと思って先輩を見たところ、仕事を止めるそぶりを微塵もみせない。きっと集中しているんだと考えてボクも作業を続けていたのですが、18時を過ぎても終わる様子がない。
クライアントの経理で若い世代の人にも対応してもらっていたので、早く引き上げたほうが良いと思い、先輩に「今日はどこまで進めますか」と聞きました。すると、こんな答えが返ってきたのです。
「締切りが近いから、できるだけ仕上げていくぞ」
いやいやいや、今日はクリスマス・イブですよ。あなたには予定がなくても、経理の方には約束があるかもしれないじゃないですか。今日中に仕上げないといけないものじゃないんだから、早く切り上げるべきだ。なーんて、経験の浅いペーペーが先輩に口答えできる状況じゃない。でも、何とかしなきゃと、精一杯の返しをしました。
「経理の方も予定があるかもしれないから、キリのいいところで終わりませんか」
しかし、そんな反撃も虚しく、終わったのは20時過ぎ。今から帰っても、誰かと会うのは21時。なんだかなぁ~と残念な気持ちを覚えたのを覚えています。
こうした季節のイベント、意外と考慮しない人がいます。クリスマスやイブに限らず、バレンタインデーやお盆休みなど、誰もが予定を入れる時期や予定があってもおかしくはない時期。それなのに、平気で残業させたり、出張をいれたりする人がいます。あれ、なんでしょうか。
しかも、忘れては行けないのは、巻き込まれたのは、その場にいる人だけじゃないこと。一緒に過ごしていたかもしれない大切な誰かもいるのです。まだかまだかと連絡を待っている人がいます。その時間に間に合わないことで、一悶着も起きていたかもしれません。
日程を決められる立場の人は、こうした季節のイベントを踏まえてスケジュール調整すべき。さすがに誕生日やナンチャラ記念日までは覚えていなくても、世間的にイベントの日はわかるはず。
こうしたイベントがわからないと、絶対にマーケティングの仕事はできません。誰もが違うことに時間を使うときに、商品の販売やイベントの申込みや実施を呼びかけても、反応が薄いのは目に見えています。もちろん、それを理由に販促をかけるのは正当なマーケティングですが、それを実施するのは、イベントの前。決して、イベントのある、ちょうど時期に呼びかけることはしません。
そんな失敗をしないためには、周りにいる人に目を向けることが大事。何を気にしているか、何に関心をもっているのか、あるいは、何を話しているのか。そばにいる人をしっかり観察することが大事。
セラピストの石井裕之サンも、著書『あの人の「特別な存在」になる法則~コールドリーディングDVDブック~』の中で、こう話しています。
コールドリーディングという、一見、自分の思いどおりに相手を動かすようなテクニックを解説するのは、読者の興味を引くため。本当の目的は、それを通じて「あの人」に気持ちを向けること、関心をもつことだと。このように、視点を自分のど真ん中に置くのではなく、自分の枠を飛び抜けて相手と一体になるほどに寄り添うことが必要なんです。
あなたの横にいる人が、どんな表情をしているのか。少しは気をかけると、皆、ハッピーな時間を過ごせますよ。たとえ一人で過ごす夜であったとしても。あっ、それは、あのときのボクだ。