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呼びかけは自分の言葉で

(記事にはプロモーションが含まれることがあります。) 

 言葉の力って、ホント、強い。あるプロジェクトで集まったメンバーを見て、それを実感したことがあります。

 そのプロジェクトに参加するメンバーを募集するときのこと。ボクがファシリテーターとしての役回りであったため、普段なら、メンバー募集の文章を自分で作ります。セールスレターの作法に基づいて、そのプロジェクトに込めた想いを盛り込んでいきます。

 セールスレターといっても、販売を呼びかけるものではありません。メンバー募集が目的の文章のため、呼びかけるのはプロジェクトへの参加。このように、マーケティングの世界で見込み客を集めるための手法を、社内のメンバー集めに活用しています。

 しかし、当時は、別の案件で手一杯。そこで、ボク以外のコアメンバーに、メンバー募集の文章を書いてもらったのです。で、ボクのテイストとは違う文章で、告知。

 面白いことに、結果として集まったのは、いつもとは違うメンバー。ボクが文章を書かなかったためか、プロジェクトのテーマの関係なのか、普段とは異なるメンバーが集いました。ただ、メンバーが変わるというのは、別の意味もありました。目指すところや熱量も、いつもと勝手が違って、やりにくいったらありゃしない。

 こうもメンバーの属性が変わった原因は、呼びかけの言葉にあると考えています。というのも、セールスレターがそれを意識的に利用しているから。

 セールスレターの大家といえるダン・ケネディは、セールスレターを書くときに、顧客の理解を深めていきます。このときに使う自問のひとつに、顧客が使う、独特の言葉遣いや言い回しは何かを探るものがあります。

 こうした質問を自身に投げる理由は、顧客が普段使っている言葉をセールスレターに盛り込むと、反応が良くなるため。顧客の属性に応じて、使う言葉を変えていきます。セールスレターでそうした言葉を用いて語ると、「こっちの人」からの語りだと認識されることから、拒否されにくくなるのです。

 つまり、呼びかけの言葉に何を用いるかによって、それに反応する人も変わってくるということ。だから、あのプロジェクトで集まったメンバーの属性がいつもと違ったのは、呼びかけの言葉が変わったからと考えています。きっと、ボクが使わない言葉のほうに反応したのでしょう。やっぱり、自分の言葉で書かないと想いは伝わらないですね。

 経営者の中には、社内に向けて定期的に想いを発信している人がいます。どんなビジョンか、何を目指しているのかなど、ビジネスに込めた想いを文章で伝えるのです。ブログであろうが、イントラネットでの書き込みであろうが、あるいはメールであろうが、その手段を問わず、行動の呼びかけをするのであれば、それはセールスレター。

 セールスレターには、呼びかける行動を促すための方法論が確立されています。その型に沿って使うなら、期待する行動を起こせる確率が高くなります。

 ただし、セールスレターの中でどんな言葉を使うかによって、反応する人が変わるのは説明したとおり。だから、あなた自身がセールスレターを書けるようになるべき。行動を呼びかける作法を身につけるべきなんです。

 これは自分の仕事じゃないとして、他の人に任せっきりになっているものはありませんか。その結果、自分の期待とは違う人たちに囲まれて仕事をするために、ストレスになっていませんか。

 ぜひ、セールスレターを学んで、自分の言葉でメンバーを呼びかけましょうよ。あのプロジェクトから、メンバー募集は自分の言葉で書くように心に決めたボクのように。

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