2019年1月1日。あるいは、平成31年1月1日。新しい年が始まりました。
昨年の最後のブログ投稿は、「寄りかかるんじゃない、寄り添うんだ」という記事。職場以外のコミュニティでは、「寄りかかる」のではなく「寄り添う」マインドのメンバーが集まりやすいと説明しました。
しかし、職場でも職場以外でも、ある程度の人が集まる場では、寄りかかる人が一定数存在するのが常。その事実に抵抗してもムダ。ということは、そうした事実に対して、自分はどうするかを考えていかないといけない。
そこで、使ってみたのが、「メンタル・コンフリクト・キャンバス」。仮面ライダーのナレーションのように紹介すると、こんな感じ。
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説明しよう。これは、竹村純也が開発した、一歩を踏み出せない原因を探り、また、それを手放すためのツールである。その初披露は、2018年3月29日に、ビジネスモデルイノベーション協会のキャリア分科会が開催したセミナー。あちこちで、言霊がえぐいほどに浮かび上がっていたと評価されたものなのである。
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このオリジナルのツールを使って、寄りかかり星人への対応の仕方を考えてみました。
まずは、自分が本当はしたい、してほしいことについて、最も望むことをひとつ挙げます。それを次のとおりツールに書き込みました。
「責任を負って成果物を作り込んで欲しい」
次に、本当はしたい、してほしいけれども、そうならない心理的な葛藤を挙げていきます。そこで書いたものは、次のとおり。
「寄りかかられるのが嫌だ」
ここで、付箋紙を3枚取り出します。1つ目には、心理的な葛藤に関連する相手を「①(相手)」と書きます。
ボクの場合には、「①寄りかかり星人」とします。ブログのため具体名とはいていません。
2枚目の付箋紙には、「②私」と書きます。
3枚目の付箋紙には、「③」として、①の相手が「②私」にすべきことを書きます。ボクの場合は、次のように書きました。
「③全方向に配慮した成果物を示す」
付箋紙を①②③の順に並べて、こう読んでいきます。
「①寄りかかり星人」は「②私」に「③全方向に配慮した成果物を示す」べき。
これが、自分が意識(認知)しているものとなります。特に違和感はありません。
ここで、付箋紙を②①③と並び替えます。つまり、①と②を入れ替えるのです。そして、こう読むのです。
「②私」こそが「①寄りかかり星人」に「③全方向に配慮した成果物を示す」べき。
こんなことを言われたら、違和感ありあり。この文章を読んで湧いてきた感情は、自分が認知していない「強い観念」を表します。そん「~であるべき(→だから違う)」という強い観念を付箋紙に記載します。ボクの場合には、次のとおり。
「④ファシリテーターは場を促すだけ」
こうして、心理的な葛藤によって次の一歩を踏み出せない原因を認知することができました。
今度は、付箋紙を①④②③と並び替えます。②と③を移動させるのです。この付箋紙は、こう読んでいきます。
「①寄りかかり星人」は「④ファシリテーターは場を促すだけ」だからこそ、「②私」に「③全方向に配慮した成果物を示す」ことをしていない。
この文章によって、「えっ、何、それ?」と混乱してきます。こうして、自分がが意識(認知)していない観念を問いただしていくのです。④の強い観念は真実なのか。反論することは本当にできないのかと。
考えてみると、確かに、ファシリテーターは場を促すだけの方が適していますが、それに固執しなくても、状況に応じてプレイヤーに回るハイブリッド型になるのが良いこともあります。
また、ファシリテーターの役割について、共有の認識ができていた訳でもありません。共有できていない以上、文句を言われても仕方がない。
さらに、何かを創造できる人が創り上げていく作業に回らないのは、チームとしては効果的ではない。現実的には、できる人がファシリテーターも創造もやるしかない。
こう考えると、付箋紙④の強い観念は反論が可能なため、必ずしも成立しないこともあることが理解できます。すると、Mental Conflictで挙げた不安や悩みも、必ずしも真実ではないとも言えます。
それでもまだ、心理的な葛藤にとらわれた状態を選択する必要はありません。そこで、意識(認知)していない観念を手放していきます。
具体的には、付箋紙を②①④と並び替えます。また、④の付箋紙に書いた内容「④ファシリテーターは場を促すだけ」にバツ印を付けて、こう読んでいきます。
「②私」は「①寄りかかり星人」に「④ファシリテーターは場を促すだけ」を求めない。
このようにして④の強い観念を手放すと、心理的な葛藤が思い込みにすぎないことが理解できます。
最後に、「④強い観念」を手放すと、できる行動は何かを考えます。それを付箋紙に「⑤」として、踏み出す一歩について書くのです。ボクの場合には、次のとおりです。
「⑤成果物を生み出せるように手ほどきをする」
ちょうど、このプロジェクトはFORTHイノベーション・メソッドに基づいて進行しているため、キックオフの時点で、プロジェクトの使命を参加メンバー全員で共有しています。そのため、この使命に立ち返って振る舞えば良い。
これを行動に移すと、寄りかかり星人にイライラしていた気持ちがスーッと消えていきます。また、ウダウダ言って何も解決しない状況も自ら変えていけます。これがボクが開発した「メンタル・コンフリクト・キャンバス」。
このツールは実際に使ってみると、その効果を実感できます。また、一人で取り組むよりも、誰かと一緒に掘り下げていくと、より効果が得られます。だから、ワークショップ形式のセミナーが最も適しています。
お声がけいただければ、そんな場を設けますので、ご一報くださいませ。あなたの一歩を踏み出すために。