今日は、2018年12月31日。大晦日です。この一年で最も力を注いでいたのは、ファシリテーション。
2018年に用いていたのは、イノベーションの世界で活躍中のハイス・ファン・ウルフェンさんが著者『スタート・イノベーション!』で紹介している、「FORTHイノベーション・メソッド」。これは、組織の中でイノベーションを起こす方法論。
ボクがこのメソッドで好きなところは、主役がプロジェクトチームの参加者であること。
ほら、この手のヤツって、コンサルタントが主導でプロジェクトを進めるためのツールだったりしませんか。つまり、そのコンサルタントがメインとなりがち。
しかし、FORTHイノベーション・メソッドでは、ファシリテーターは進行役に徹します。参加者から引き出したアウトプットに基づいて成果物を作り上げていくのです。開発者のハイスさんご本人がファシリテーターであることが、このメソッドに色濃く表れています。
この方法論に実際に触れて感動したことから、ボクが所属する事務所で、ボクが仕切れるプロジェクトで片っ端から試しました。
例えば、2018年1月20日に、あるプロジェクトのキックオフが予定されていました。そこで、その前の1月6日に、ビジネスモデルイノベーション協会による「FORTHイノベーション・メソッド ファシリテーション入門講座」を受講。このメソッドのFとOの2つを中心に学び、早速、実践。
また、5月26日には、ハイスさんを招いての講座「保守的な大企業の文化をイノベーティブな組織に変革する方法〜START INNOVATION 1 Day Special Workshop」にも参加。ここでは、メソッドのうちRとTを中心に学びました。これを翌週のプロジェクトのミーティングで実践。
こんな感じで、いくつかのプロジェクトものでFORTHイノベーション・メソッドを試しまくっていた一年でした。
しかし、こうしたスタイルに慣れていないプロジェクト・メンバーもいたのも事実。彼らにとってリーダーとは、自ら率先して知恵を出し形を創り出してメンバーを導いていくもの。
これに対して、プロジェクト・リーダーであるボクがファシリテーターに徹徹していたため、ボク自身は口を出さなければ手も出さない。その代わりにプロジェクトを動かしていくための準備を相当の時間と労力を注いでいたのですが、それは目に見えない作業。
それが「楽をしている」と見えたのか、「なんで手を動かさないんだ」と噛み付かれたこともありました。同じ局面で一緒に汗をかくべしという強い信念があったのでしょう。
ただ、「お前が動かないと、自分は動かない」というのは、見返りを求めている証拠。その時点でプロジェクト・リーダーに寄りかかっています。
それに関連した話として、今年、ボクは、会計や監査とはまったく違う世界で挑戦したことがあります。先ほど話に出たビジネスモデルイノベーション協会で、キャリアについて考える分科会でのこと。
2018年3月29日に、そこに集ったメンバーで、キャリアに関するセミナーを開催しました。そのときにボクが登壇した様子が、このブログ記事にアップした写真。
メンバーの本業はキャリアコンサルタントでも人事担当でもありません。各人がキャリアに悩む人に向けて、ワークショップを通じて悩みを解消できるよう努めました。
興味深いのは、ここに集まったメンバーで、誰かに「寄りかかる」人は一人もいないこと。各々が自立して、共通の課題解決に向けて「寄り添っている」のです。
こんな心地よい場は、なかなか得られません。職場というたった1つのコミュニティだと、そんな場を作るのに苦労することがあります。
しかし、職場以外のコミュニティでは、各々が自らの意思で参加するだけでなく、寄りかかろうと思う人もいない中で飛び込んでいきます。そのため、「寄りかかる」のではなく「寄り添う」マインドのメンバーが集まりやすいのかもしれません。オンラインサロンみたいですね。
2019年は、個々人で頑張っていくよりも、チームで活動していく局面がより求められるようになるでしょう。そのときには、FORTHイノベーション・メソッドのような方法論が重宝してきます。そうした場に参加するには、寄りかからずに「寄り添う」マインドが必要。
自立しながらも同じ方向に進んでいくあなたに、明日以降、お会いしましょう。