Business model

顧客視点のサステナビリティを忘れない

(記事にはプロモーションが含まれることがあります。) 

ボクが最近学んだ、ビジネスで一番大事なこと。ビジネスモデルで大事なことと言ってもいい。それは、サステナビリティ。いわゆる、持続可能性。

 今まで、このサステナビリティは自社の視点からしか捉えていませんでした。顧客に価値を提供していくために、自社として継続していけることが大事だと。要は、儲けがでないと続けていけない。そういう理解でいました。

 しかし、本当のサステナビリティは、そうではない。もちろん、それはひとつの解釈に過ぎませんが、それでも今、一番、自分にとって腑に落ちている考え方。真のサステナビリティとは、自社からの視点ではなく、顧客からの視点だというのです。ボクはそう理解しました。

 こちらが提供していける財務的な体力があるかどうか、そういう話ではありません。それは必要条件ですが、十分条件じゃない。顧客の視点からサステナビリティを捉えないといけないのです。

 それは、こういうこと。ビジネスを通して、顧客に何かしらの価値を提供しています。そのうちの一部の顧客は、もっとその価値を得たいと考えます。提供する価値によほどの毀損がない限り、確率上は一定数、もっと欲しがる顧客がいるハズ。何度も欲しかったり、できるようになるまで欲しかったり、ステイタスとして欲しかったりと。

 そんなときに、たった一度だけ価値を提供したっきりだと、もっと欲しがる顧客は困ります。その価値を提供してくれる先が他にないからです。その気にさせて、何もしないようなもの。恋愛なら、いい迷惑って話し。

 仮に、他に提供する人がいたとして、より優れた価値を提供しれくれるなら、その顧客は満たされます。このケースなら、何も問題ありません。

 しかし、他に提供する人が提供する価値が下がるケースも考えられます。適当な水準で済ませていることもあれば、儲けだけ考えていることもあるでしょう。あるいは、必至に取り組んでいても、提供する価値の水準が低いこともあります。

 すると、たった一度だけ価値を提供したことで、それを手にした顧客は、その後、ぞんざいな扱いを受けることになります。あなたが提供した価値でハッピーになったものの、あなたのフォローがないことで、そのハッピーは低いところに引きずり降ろされてしまうのです。それで良いんですか?

 自分のことを振り返ると、反省しかない。例えば、本を出版しても、そのフォローまでは考えていない。外から見れば、「その本にすべてを書いたから、以上」と映っていても仕方ない。結果的に、読者をぞんざいに扱っていた可能性も否定できません。

 幸い、その本の内容をテーマにしたセミナーを開催しているため、まったくフォローなしというワケではない。ただ、最初からセミナーでフォローすることを想定していたのではなく、たまたまご縁があって開催に至っているだけ。もし、ご縁がなければ、本を書きっぱなしで終わっているのです。

 そういう姿勢に対して責任がない、覚悟がないと受け止められても、こちらとしては何も言えない。ひとたび価値を提供したのならば、それをいろんな形で提供し続けなければならないのです。それが顧客の視点からのサステナビリティ。

 ただし、価値を提供しても、その広がりが少ないのであれば、提供しっぱなしでも問題は少ない。とはいえ、その問題を最小限に留める責任もあるため、初めは小さく手掛けて、反応がよければ広げていき、反応が悪ければ手仕舞いする。そんなテストが不可欠。単なるマーケティングの話しではなく、顧客の視点のサステナビリティとして必要ということ。

 そんなスタンスに立つと、ビジネスモデル・キャンバスというツールは、良く出来ています。サステナビリティが、収入とコストという要素で組み込まれているからです。しかも、インフラのようにツールの下の部分に配置されています。

 儲かるかどうかという自社の視点からのサステナビリティを考えながらも、価値を提供した後にフォローし続けられるかという顧客の視点からのサステナビリティも固持しなければならない。そのための責任と覚悟が問われます。

 それらを支えるのは、ミッション。ビジネスモデル・キャンバスの真ん中に位置している「顧客に提供する価値」に、ボクはミッションを置きます。あなたのビジネスは、ミッションと顧客視点のサステナビリティとがどこまで関連しているか。一度、振り返ってみても良いかもしれません。

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