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睡眠からのビジネスのダッシュボード

(記事にはプロモーションが含まれることがあります。) 

最近、周りにプッシュしまくっているのが、睡眠アプリ。寝るときに、スマホに起きたい時間をセットしておきます。すると、ちょうど起きやすいときにアラームを鳴らしてくれるもの。

 睡眠には、浅い眠りの「レム睡眠」と深い眠りの「ノンレム睡眠」とがあります。この2つが90分のサイクルで繰り返します。レム睡眠から始まってノンレム睡眠に至り、またレム睡眠に戻るときに、つまり、浅い眠りに戻っているときに起きると、すっきり目覚められるのです。

 睡眠アプリは、このサイクルを感知して、ノンレム睡眠のころに起こしてくれます。朝、起きたときに気だるいと感じたり、かなり早く起きなければならなかったりと、ぱっと目覚めたいときがあります。そんなときに睡眠アプリが役立つんじゃないかと、以前から興味を持っていました。

 昨年の夏、レム睡眠とノンレム睡眠を記録している知人から、こうしたアプリの利用を勧められていました。その人はアプリではなく、スマートウオッチで測定しているタイプ。新しくスマートウオッチを購入することがハードルとなって、試さないままでいました。

 しかし、再び、睡眠アプリの紹介に出会います。少し前に読んでいた本で、睡眠アプリが具体的に紹介されていたのです。ちょうど今年は、最新テクノロジーを積極的に使ってみると決めていたこともあったため、今回はすぐさま検索。

 ただ、その本の発売日が2016年であったためか、同じアプリは見つかりません。テクノロジーの移り変わりは早いもの。もう別のバージョンに変わっていたようです。とはいえ、ここまで盛り上がった気持ちは抑えられない。そこで、ネット記事で調べて選んだアプリをダウンロード。

 で、その夜から、実践を始めます。次の日の朝、確かに目覚めがすっきり。その次の日もすっきりと起きられたため、もう宣伝しまくり。まずは家族、次は職場の後輩。さらには、こうしてブログであなたにも。

 もともと睡眠は十分にできているんじゃないかと感じていました。しかし、それを客観的に知るすべがないため、確証までには至っていませんでした。

 ところが、睡眠アプリでは、レム睡眠とノンレム睡眠のサイクルをグラフで視覚化してくれます。また、睡眠効率という指標まで定量的に計測されます。さらには、睡眠効率も含めた5つの指標をレーダーチャートで示してくれます。もう、睡眠のダッシュボード状態。

 やはり、数値化されると納得感が増します。「ぐっすり眠れた」「とても良く眠れた」と定性的に表現しても、人によって感じ方が違います。その感覚を共有できないのです。一方、何パーセントとか何時間とか定量的に表現されると、それは人によって変わることはありません。だからこそ、その状態の説明に客観性が高まるのです。

 ビジネスでも、状態を「見える化」することは大事。具体的に状態が理解できないと、改善していくことができないから。その究極は、決算書。見てのとおり数字のかたまり。

 歴史学と会計学を専門とするジェイコブ・ソール氏は、著書『帳簿の世界史』(文藝春秋)の中で、中世のヨーロッパ各国が国の帳簿をつけることで財政を立て直していたと説明します。それができたのも、決算書がダッシュボードのように国の財政状態を数値で示すから。

 その反対に、国の財政状態が悪くなったために、その発覚を恐れて帳簿をつけなくなった国があります。そうしてダッシュボードを失った結果、かえって実態をつかめなくなることから、その国は滅んでいったことを歴史は教えてくれます。

 なんでもかんでも数値化する必要はありませんが、押さえるべきポイントは数値化すべき。実態を把握し、改善を図っていく。その一歩を踏み出すためのきっかけになります。

 そんなことを話していると、会計の本を書きたくなってきた。テクニカルの話ではなく、接し方や扱い方、読み方といった観点で。ちょっと考えてみよっと。

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