Career

期待の裏にあるものが失望を生む

(記事にはプロモーションが含まれることがあります。)  

 失望しかけながら、驚きがある。先日、知人が2人の後輩について、そう話していました。

 1人の後輩は、長い間、知人が目をかけていた男性。仮に、Aくんと呼びます。知人の期待に応える形で成長してきたと感じていたとのこと。しかし、別の部門へ移動になった最近では、その成長スピードが止まったように見える。だから、失望しかけていると話します。

 一方、もう1人の後輩は、最近になって同じ部門に入ってきた男性。仮にBくんと呼びます。以前の部門で良い評判が聞かれていなかったため、あまり期待していなかったようです。そのため、ひとつひとつ確認しながら仕事を進めていったところ、急成長したとのこと。想定以上の成長に驚いたと言います。

 この話を掘り下げて聞いてみたところ、知人の後輩への接し方が違っていました。

 知人はAくんに期待しているがゆえに、自分と同じやり方を叩き込んでいった。つまり、知らず知らずのうちに、レールをひいていたのです。自分ならこう進めていくから、お前も同じように動いてみろ、と。

 もちろん、Aくんは知人の期待に応えるよう、全力で取り組んでいました。しかし、それはあくまでも知人がひいたレールの上でのこと。そこまで御膳立していたからこそ、Aくんは輝くことができていたのです。

 別の部門に移動になった後、そこまで御膳立してくれる上司がいなくなります。Aくんはレールがひかれていないため、自分が進む方向性がわからない結果、闇雲に頑張るだけ。成果をあげられないことから、活躍の機会がなくなっていったのです。それが、Aくんの成長スピードが止まったように見えた理由。

 ところが、以前のようなレールがなくなったことに、知人もAくんも気付いていない。なにの、知人はAくんが成果をだせると信じ込んでいます。Aくんの実力以上に勝手に期待していたのです。その期待に応えていないために、失望しかけているというワケ。

 これに対して、Bくんにはそもそも期待をかけていなかった。Aくんのように、レールをひく形では自分のやり方を押し付けなかった。それがBくんのスキルアップを引き出すことに繋がった結果として、仕事ができるようになったのです。

 このように、知人の後輩への期待とは、自分のやり方の踏襲を求めることでした。自分と同じように仕事をしているなら、同じように成果を出せるはずだろうと。成果を出すまでのレールをひいてあげたものの、レールのひき方までは教えなかった。それがAくんの成長機会を奪っていたのです。それでいて結果がでないと勝手に失望している。Aくんにとってはいい迷惑なのかもしれません。

 Bくんには同じやり方を求めていないため、結果がでるだろうと初めから期待していない。だから、結果がでなくても失望はしない。

 近いと思っている、わかり合えていると思っている。そうした勝手な期待が、失望を生む原因になります。おそらく、まったく知らない外国の人だったら、自分と同じだとは期待することはないため、異なる結果が出ても「仕方がない」と受け入れるハズ。

 よく「期待をするから失望が生じる」と言いますが、期待すること自体は悪くない。悪いのは、その期待が自身の思い込みを押し付けていること、また、結果が出ないときに勝手に失望すること。冷静に応援し、また、結果が出なかったら次に向かえばいい。

 このように整理すると、人間関係のもつれは、こちら側の姿勢次第。過大な期待、勝手な思い込みをするのは、相手ではなく、自分のほう。それに気がつくためには、自分の思い込みが何かを探る時間が必要です。それには、ボクが開発した「メンタル・コンフリクト・キャンバス」を使ったワークショップがオススメ。もっと体験できる場を作らないと、ですね。

カラオケのデュエットはマーケット・インで前のページ

タイムマシンで優位にビジネスを展開次のページ

関連記事

  1. Career

    キャリアに変化を起こすには、桑田佳祐サンを聴き込め

     桑田佳祐サンが4割、近藤真彦サンが3割、藤井フミヤさんが3割。これ…

  2. Career

    執筆やセミナーで「悪役」にすべきは

     必要な情報は、必要なタイミングでやってくる。引き寄せているのかどう…

  3. Career

    パネルディスカッションは、小論文の作法で

     先日、参加したセミナーで、パネルディスカッションの時間がありました…

  4. Career

    オンライン講座の収録はこの2点に注意する

    今日は、オンライン講座を収録するときの気付きが得られました。オンライ…

  5. Career

    キャリアを引き上げてもらえる人、もらえない人

     組織の中には、いろいろなタイプの人がいます。先日、友人から…

  6. Career

    ゴジラの鳴き声が役に立つ日

    あなたは、観察力がありますか。普段、目にするもの、耳にするもの、手にす…

  1. Accounting

    【掲載報告】あの論点が、想定外のかたちで取り上げられました
  2. Accounting

    リスクの粗さが重要な虚偽表示リスクに与える要因のひとつ
  3. Accounting

    新型コロナウイルスで会計不正に要注意
  4. FSFD

    サステナビリティ開示は、「何を書くか」だけでは設計できない ―金融庁レビューと有…
  5. FSFD

    SSBJが選んだ“開示免除”という解決策—その背景にある戦略とは
PAGE TOP