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これでもうフォロワー数に悩まない

 ソーシャルメディアのフォロワー数を増やしたい。あなたが情報発信をしているなら、そう考えたことが一度や二度はあるでしょう。

 集客や販売、採用といった様々な局面でFacebookやTwitterなどが活用されています。来場してもらう、購入してもらう、入社してもらう。こうしたことを期待して、ソーシャルメディアで情報発信するのです。

 このときに、誤解しがちなのが、フォロワーの数を増やせば良いと考えること。確かに、フォロワーのうち、期待する行動を起こしてくれる人は一定割合、存在するでしょう。例えば、フォロワーのうち期待する行動を起こしてくれる割合が1%のとき、100人集めれば1人、1,000人集めれば10人といったように。

 そうした確率論的な発想に基づくと、フォロワーを増やせば増やすほど、期待する行動を起こしてくれる人が多くなる計算になります。そこで、必死になってフォロワー数を増やそうと四苦八苦する。

 しかし、それで結果は出るのでしょうか。おそらく、計算どおりには行かないでしょう。フォロワーを増やすことで、問題解決にはならないのです。

 このことについて、実話を挙げて説明している本があります。その本とは、世界的なブロガーであるマーク・W・シェイファー氏による『The Content Code 熱狂的な消費者を生み出す「バズる」コンテンツの作り方』(ダイレクト出版)。

 この著者は、ある慈善事業を行っている団体への寄付を求めるために、自身のブログに寄付を呼びかける記事を書きました。この記事を広めるために、自身のTwitterでツイートすることに加え、2人のインフルエンサーにもツイートを依頼します。

 まず、この著者は、自身のTwitterでツイートします。当時のTwitterのフォロワーが7万人であったことから、ブログの記事は750回近くシェアされました。ただ、寄付をしてくれたのは、92人だけ。しかも、そのうち80人は実生活で顔を合わせている人たち。つまり、個人的な知り合い以外で寄付をしてくれたのは、12人だったのです

 次に、2人のインフルエンサーに、ブログ記事のツイートを依頼します。彼らのフォロワー数は10万人超え。そのおかげで、おそらく300万回以上、Twitter上に表示されたものと推計されました。ところが、実際に寄付してくれた人は、1人。300万回表示されても、期待する行動に至ったのは1回だけという結果。

 著者の分析によれば、こうした結果なのは、フォロワーとの関係性の濃淡だといいます。フォロワーとの関係が弱いつながりだと行動を駆り立てるまでには至らない。一方で、強いつながりだと行動を起こさせることができるといいます。

 なるほど、その考え方によれば、自身のTwitterでのツイートで、個人的な知り合いは強いつながりのため、寄付を80人も呼びかけることができた。また、他人のフォロワーに呼びかけても、つながりは弱いため、行動を駆り立てられないで終わった。

 この結果を踏まえると、フォロワーの数を増やすのではなく、フォロワーとの関係を強くすることが重要だと理解できます。では、どうすればフォロワーとの関係を深く、濃くすることができるのか。

 一言で言えば、フォロワーの視点に立った情報を発信しているかどうか。

 フォロワーは、何かの問題を抱えています。例えば、知識を知りたいとか、憂さ晴らししたいとか。こうした問題に対して、あなたがソーシャルメディアを通じて解決策を提供できると良い。お役立ち情報を提供しているとか、エンタメ情報で楽しませているとか。

 加えて、そうしたフォロワー視点のコンテンツを、ひたすら与え続けていくことも大事。なぜなら、あなたのことを信頼してもらえるようになるからです。その結果、そのフォロワーとの関係が強くなっていきます。

 ね、ソーシャルメディアでの情報発信を通じて、期待する行動を起こしてもらいたいなら、フォロワーの数じゃない。関係性の深さ、濃さ。わかりやすい指標に飛びつくと、かえってゴールから遠ざかることにもなりかねない。お気をつけあそばせ。

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