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授業や研修の未来の呼び名

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先日、ホイチョイ・プロダクションズさんの昔のコラムを引っ張り出して読み返していました。それは、小学館から発刊されていたテレビ雑誌『テレパル』に掲載されていた「酒とビデオの日々」。

 このコラムは、とても長い連載でした。連載の途中、レンタルビデオ屋で貸し出すものがビデオからDVDへと移り変わってきたことから、コラム名が「酒とDVDの日々」に変わったほど。この雑誌が廃刊になるまで、連載は続きました。

 ボクにとって、このコラムは物書きの道のきっかけ。こんな風に、面白くタメになる文章が書けたら良いなと憧れたものです。実際、ボクのブログは、ホイチョイ・プロダクションズさんの文章に大いに影響を受けています。一人称を「ボク」とカタカナ表記したり、人の名前に「サン」とカタカナ表記したり、「のようで」「だそうで」を「のよーで」「だそーで」と伸ばして表記したりと。

 あるとき、そのコラムで取り上げられたテーマが、携帯電話。今、振り返ると、そこでの指摘がスゴイ。そのうち家庭に据え置かれている電話を「固定電話」と呼ぶようになると予言しているのです。

 固定電話しかなかった頃は、誰も「固定」電話とは呼ばない。単に、「電話」。比較するものがないため、わざわざ「固定」と付ける必要がないからです。

 やがて携帯電話が普及しだすと、固定電話と区別するために、あえて「携帯」と付けて呼んでいきます。そのうち、カタカナの「ケータイ」を経て、今では「スマホ」に呼ぶようになっています。電話といえば、かろうじて「ケータイ」も通用している状況。

 すると、何が起きているか。なんと、家庭に据え置かれている電話を「固定電話」と呼ぶようになっているのです。携帯しない電話のほうが少数派。だから、固定電話のほうを区別しています。ホイチョイ・プロダクションズさんのコラムでの予言のとおり。

 これと同じように、主流派が変わることによって呼び名も変わるものがあります。先日のブログ記事「デート代の会計処理の落とし穴」にも触れた、「Eメール」。その昔、メールといえば、紙媒体の手紙を指しました。それに対して、パソコンや携帯電話を通じて電媒体でメッセージを送ることを、Eメールと区別していました。

 そのEメールは、当初、一部の人がパソコン通信で送り合っていたもの。やがて、Windowsパソコンが普及することで、ビジネスパーソンが仕事でEメールを使うようになります。そこから波及して、多くの人がプライベートでもEメールを送り合うようになる。「携帯」電話でもショートメールを取り扱うようになると、誰もがEメールを使う状況に。

 ここまでEメールが主流になると、わざわざEメールと区別して呼ぶ必要がない。あなたの周りに、Eメールと呼ぶ人はいないでしょう。もしかすると、若い人には通じない単語になっているかもしれません。

 ちょっと、実験してみませんか。明日、職場の後輩と話す中で、「Eメール」の単語を盛り込んでみましょう。どんな反応を示すのか、その結果をFacebookやTwitterで教えてください。

 それはさておき。同じように呼び名が変わるもののひとつに、「Eラーニング」があると考えています。アメリカではEラーニングの作り方を解説した本があるほどに、ノウハウが蓄積されて体系化されているよーで。

 学校教育でもビジネスの現場でも、座学なら、もはやEラーニングに切り替えたほうが、講師の技量に左右されずに均一の品質で研修内容を提供できます。しかも、場所と時間を問わずに。そうして手軽に身近になっていくと、やがてEラーニングが、単なる「授業」や「研修」と呼ばれるようになっているかもしれません。

 そうなると、座学ではない形式の授業や研修が、かえって特別なものになってくる。それなりの人数の受講者が、一定の場所と時間にわざわざ集まって、ひとつのコンテンツを学ぶのですよ。そんな身近でも手軽でもないものにこそ、特別な名前がつくハズ。

 その名前は、一体、何か。「なんとかラーニング」や「なんとか授業(研修)」などが思いつきます。といいながら、単純に「ワークショップ」と呼ばれているかもしれませんね。

 では、ワークショップが今以上に特別な空間になるときに備えて、ファシリテーション・スキルを磨き続けることにしましょうか。それがボクの「酒とワークショップの日々」。

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