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こだわるべきはツールじゃない、ゴールだ

(記事にはプロモーションが含まれることがあります。) 

何事も、ツールにこだわりすぎてはダメ。今日の作業で、そんな教訓が身に染みました。

 ある報告資料の全体構成を見直すにあたって、映画の脚本術のツールを使おうとしていたときのこと。そのツールとは、ハリウッド映画の脚本家であるブレイク・スナイダー氏が著書『SAVE THE CATの法則 本当に売れる脚本術』(フィルムアート社)で提唱しているもの。その名も「ブレイク・スナイダー・ビート・シート」、略してBS2。

 もともと、このツールで全体構成を作ってはいました。ところが、その後に得た情報を踏まえると、この方向性を少し変えたい。今のボクの想いをその報告資料の全体構成に反映したいと考えたのです。そこで本棚から取り出したのが、この本というワケ。

 BS2というツールに従って脚本を作れば、映画は面白くなる。ならば、このツールに従って報告資料の全体構成を作れば、報告内容は興味をもって読んでもらえる。そう考えて、このツールが求める15の要素を作り出していきました。

 この本では、この15の要素について全体的な関係を一望するために、ボードに貼り付けることを勧めています。いわゆる、ストーリーボードってやつですね。素直なボクは、これに従います。あいにくボードはなかったため、大きめのスケッチノートを使いました。こうして、BS2というツールに基づき、報告資料の全体構成を作りこんでいきます。

 その構成づくりに夢中になったことから、別の脚本術の方法論も組み合わせようと考え出します。もっとスゴイ内容になりそうじゃないですか。そこで、手にしていた『SAVE THE CATの法則』を机の上に置こうとしたときに、この本にしおりが挟んであることに気づきます。

 ボクはあまり本にしおりを挟むことはないため、不思議に思い、そのページを開いてみます。すると、衝撃の内容が書いてあったんです。なんでも、そのツールを使ったときに、ある段階になったら、こう自問自答することを勧めているのです。

俺はボード作りをしたいのか? それとも脚本家になりたいのか?

 この自問自答が教えるのは、ゴールを履き違えてはいけない、ということ。売れる脚本を作るために、ストーリーボードを作っていたわけです。決してボードを作ることがゴールじゃない。まるで今日のボクをどこかで覗いていたのかと思うほどに、現状の問題点をズバリ指摘されたのです。

 確かに、ボクが今やるべきなのは、報告資料を仕上げること。これが、最終ゴール。そのゴールに向けた過程として、ツールを使っているに過ぎないのです。

 だから、BS2というツールに基づき作っていたボードは、何も完璧にする必要はない。完璧さを求めるあまり、時間をかけすぎても意味がない。この著者いわく、「準備の域を超えて出発を先送りしている可能性がある」。それではダメだとはっきりと言われたのです。

 この文章を見たときには、頭をガーンと叩かれた感じがしました。薄々気づいてはいたものの、そろそろ実際の作成に着手すべき段階。全体構成を作るために、ボードづくりに夢中になっていてはイケナイ。

 もちろん、ツールに従うことは、作業を効果的、効率的に進めるには大事なものです。しかし、それを完璧することにこだわっていては、ゴールを見失うことにもなる。たとえ、ツールを使ったときと異なる結果になったとしても、それがゴールに到着する、あるいは、ゴールを超えるなら、何の問題もない。そこを忘れてはいけないのです。

 そんな言葉が書いてあるページにしおりを挟んでいたとは、きっと以前にもここを読んで、頭を叩かれたでしょうね。すっかり忘れていましたが、しおりで大事なことを思い出せました。

 なので、これからは具体的な作業に着手していきたいと考えています。関係者の皆様、どうぞ、ご安心ください。って、一体、誰に向けた文章なんだ、これは。

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