私の設定金額は、いくら。
交際相手から、こう聞かれると驚くかたもいらっしゃるかもしれません。これは、恋愛会計の、ひとつのシナリオ。恋愛会計とは、以前のブログ「デート代の会計処理の落とし穴」でお話ししたとおり、ボクが昔から温めていたネタ。それは、恋愛に会計の知見を生かすこと。それによって、恋愛の現状を把握するとともに、対応策まで図れるなら、役に立つこと間違いない。
ただ、恋愛会計の構想が止まっていました。その理由は、収益がうまく設定できなかったから。コストは出て行くマネーで計上できる一方で、売上をどう計上していくのかが課題のままでした。
というのも、人それぞれに何がハッピーかは変わるため、統一した収益は恋愛会計では設定しにくいと考えていたのです。例えば、付き合うことになったことがハッピーなのか、デートに行くことになったことがハッピーなのか、あるいは、手を繋いだのがハッピーなのか。これらは、人によって価値が違うのです。
そう考えていた中で、今日、ご一緒していた知人から、大きなヒントを得ました。この知人は、かつて恋愛の損益分岐点なるソフトを使っていた方。そのソフトとは、知人が以前に在職していた会社の一部のメンバーが開発されていたもの。市販されているモノじゃない。
恋愛会計に近いコンセプトだと思い、知人にそのときの利用状況を質問したのです。ずっと課題だった、売上の計上の仕方を。
すると、その答えはカンタン。相手に応じて設定額を変えていた、というのです。
確かに、この方法によれば、恋愛会計における収益を無理やり統一した取扱いにしなくて良いため、その人に応じたハッピーを計量することが可能になります。人によって価値と感じるものが違うのだから、あえて統一する必要はない。この瞬間に、ボクの長年の懸念は吹っ飛びました。
相手によって収益の設定金額を変えられることは、理に適っている。誰と一緒に食事に行ったによって、嬉しさは異なります。それと同じで、とても実態に合っていると感じました。
ただ、知人いわく、このソフトの設計上の難点は、お付き合いの回数を重ねるほどに、恋愛の損益分岐点に近づいてしまうこと。相手が誰であろうと、一定の金額をデート代などに投下すると、損益分岐点に達した結果、ストップ・ロスになるからです。これは必ずしも感覚的に馴染まない。
しかし、恋愛会計において収益の金額を自由に設定できるなら、また、ずっと一緒にいたい人ほど設定金額を高くしたなら、長く付き合える計算になります。これなら、納得。
これとは別に、恋愛の損益分岐点ソフトには、運用上の難点もあるとのこと。それは、社内恋愛をしたときのこと。お相手の方がこのソフトの存在を知っていると、冒頭のセリフで確かめられるそうです。「私の設定金額は、いくら」と。
この運用上の難点に対して、2つの対応があります。
1つの対応は、ひたすら恋愛の損益分岐点のソフトの存在を隠すこと。あなたはプライスレスだと言い張るのです。とはいえ、今の世の中、何でも情報システムに繋がっているため、そうそう隠し通せるものじゃない。
そこで、もう1つの対応が活きてきます。収益の設定金額を極限まで高く設定しておくのです。そのためには、遊びではなく、真剣に付き合うことが必要。
バレないと思い込むことのほうが、2019年の今じゃリスク。メディアで騒がれているとおり、隠し通せる時代ではありません。そこに注力するよりも、正々堂々と生きるほうが効果的。
設定金額を尋ねられて答えに詰まろうもんなら、あなたがストップ・ロスとなりますよ。お気をつけて、そこのキミ。