物事の移り変わりは、早いもので。ユニコーン企業のランキングを見ていても、そう感じます。ユニコーン企業とは、時価総額が10億ドル以上の、非上場のベンチャー企業のことをいいます。3年もすると、ユニコーン企業はかなり入れ替わっている。
ボクは、ユニコーン企業のランキングを定点観測しています。なぜなら、とある大学で、ビジネスモデルの講座を行う機会があるから。おかげさまで、今年で3年目。年に1回で持ち時間が70分程度で、ビジネスモデル・キャンバスの入門編を教えています。ファシリテーターとして、30名前後の学生さんのキラキラした雰囲気に触れられるのが楽しい。
このように同じテーマのセミナーを定期的に開催しているため、資料のアップデートを通じて自ずと定点観測していることになります。今年の講座に向けて、ユニコーン企業について調べていたら、いろいろと発見がありました。ちなみに、データソースは、CB Insights。
まず、ユニコーン企業の数。2017年が213社、2018年が242社、2019年が362社。2018年は29社の増加(前年比13.6%)であったところ、2019年は120社と大幅に増加(前年比49.6%)しているのです。
また、評価総額も伸びています。2017年が7,390億ドル、2018年が8,300億ドル、2019年が1兆1,120億ドル。2018年は増加額が910億ドル(前年比12.3%)のところ、2019年は2,920億ドルと、これまた大幅に増加(前年比35.2%)しています。Uberといった大型ユニコーン企業の上場によって入れ替わりがあるにもかかわらず、この伸びは大きいですよね。
さらに、評価額ランキングのトップ10の入れ替わりも激しい。それが、今日のブログにアップした表。ピンクで塗りつぶした会社が3年連続でトップ10にランキングしている会社。もちろん、途中で上場したことによってランキングから抜けた企業もあります。それを加味しても、入れ替わりが激しいことがよく分かりますよね。
このように世界では激しい動きがある中で、日本のユニコーン企業で元気がないのが寂しいところ。2017年はメリカリだけ、2018年はメルカリとプリファードネットワークス、2019年はプリファードネットワークスだけという状況。
加えて、これらの評価額は100億ドルから200億ドルという水準。ユニコーン企業の要件のひとつが、評価額100億ドル以上であることから、ギリギリでユニコーン企業の仲間入りとなっているのです。しかも、ボクの記憶が正しければ、2016年以前には日本のユニコーン企業は存在していなかったハズ。
そんな状況を打破するためにボクができることといえば、これからの日本を創っていく大学生に、しかも、ビジネスモデルに関心を持っている若者に向けて、ビジネスモデル・キャンバスの使い方を伝えること。これは、一般社団法人ビジネスモデルイノベーション協会の認定ジュニアコンサルタントとしての取り組みの意味が強いかも。
この講座にかける想いが強いものだから、講義資料のアップデートにも余念がありません。今日、済ませる予定としていた案件もそっちのけで、大学生向けの資料づくりに夢中になっていましたよ。ワークショップ形式で進めていくため、助け合い学習にも触れてもらいたいし。
大学生だったボクが、あの当時、受けていたなら最高だと思う講座を提供したい。講座の内容もそうだし、講座そのものも「こんな世界があるんだ~」というものを。昨年よりもさらにバージョンアップした内容に、乞うご期待。これをきっかけに起業家が生まれるなら、嬉しいなあ。さあ、頑張ろうっと。