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ビジネスもショー・マスト・ゴー・オン

(記事にはプロモーションが含まれることがあります。)  

仕事での責任感。ボクが思うに、最後までやりきる自覚があること。いくら、途中を頑張っていても、最後がダメだと意味がない。なぜなら、相手に迷惑をかけるから。

 先日、知人から、こんな話を聞きました。社内で、あるプロジェクトのミーティングを開催したそうです。他の部署をまたぎ、しかも、お偉いさんも呼んでの、大事なミーティング。その仕切り役を知人の部署が担当していました。

 知人の後輩は、事前の手配をし、また、当日のミーティングの開始で概要を説明する役割を担っています。で、関係者との日程調整や会議室の確保、当日に向けた準備など、首尾よく進んでいました。

 しかし、ミーティングの当日、その後輩はやらかしてしまいます。それは、30分の遅刻。もちろん、ショー・マスト・ゴー・オン。後輩の遅刻でミーティングを止めるわけにはいかない。急遽、知人が概要の説明をすることによって、その場をしのぎます。

 後輩の遅刻は、別のミーティングが長引いたのが原因。中座するのを切り出せなかったようで、30分遅れての到着。ただ、そこでのミーティングで事前に失礼する旨を伝えておけば良い話。

 で、遅れて会議室に入ってきた後輩を見た別の部署の部長が一言、「ずいぶんと、お忙しいのですね」と声をかけたそうです。普段よりも、ゆっくりと、低い声で。怖いったらありゃしない。

 こういう事態になるのは、自分で最後までやりきる自覚がないため。きっと、誰かがやってくれるだろうと安易に頼っているのです。もちろん、チームで仕事をしているため、何かが起きればフォローしあうもの。ただ、それは互いが寄り添っているときの話。寄りかかっているときには、別の話です。

 やりきる自覚とは、詰まるところ、自分がやっていることが、誰かに迷惑をかけてしまうことに想像が働くかどうか。そこにリアリティを持てないため、安易に誰かに頼ってしまう。この後輩は、知人がいるから遅刻してもミーティングに問題はないと考えたのでしょう。

 だから、自覚を持ちましょう・・・なんて言うのは普通の話。あまりにも当たり前のため、これができない人とは関わりを持たないようにするだけ。それより着目すべきは、ボクの知人のほう。

 ほら、何事もなかったかのように、プロジェクトのミーティングを始めることができたのですよ。後輩の遅刻は、突発的な事象。前もってわかる話ではない。でも、会議は予定通り進んでいったのです。これが一体、何を意味しているのか、おわかりでしょうか。

 ボクには、わかります。知人はその秘密を明かしてはいませんが、多分、ボクと同じことをしています。最後までやりきる自覚があるため、そんな後輩の遅刻にも備えて、準備していたハズ。

 何も、後輩が遅刻すると決めつけているワケではありません。体調が悪くなったとか、交通機関の遅延とかで、プロジェクトのミーティングに後輩が現場に駆けつけられない事態を想定して動いているのです。後輩がいない中でもミーティングが進行できるように備えている。

 そんなボクも、最近じゃプロジェクトをいくつか抱えています。そのため、知人のように、メンバーが駆けつけられないときに備えて、最後は自分でやりきれるように準備している。それが、1時間程度の発表であっても、話しきれるようにネタを用意しています。きっと、プロジェクトのメンバーは知らないだろうけど。

 知人の話を聞いて、みんな、同じことをしているんだなあと、嬉しくなりました。そういう自覚で世界は回っている。どんな人なのか会ったこともないため知りませんが、知人の後輩に伝えたい。早く、こっちの世界においで、と。いつまで振り回されるつもりなの。

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