Business model

10分で大学生がビジネスモデル・キャンバスを描いたあとは

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今日は、専修大学の大学生に向けて、ビジネスモデル・キャンバスを説明する機会がありました。専修大学経営学部の青木章通教授と岩田弘尚教授のお二人が手掛ける、ビジネスモデルを学ぶコース。今日が2回目。25名の大学生に参加していただきました。

 この講座にお招きいただくのは、3年目。毎年、感じるのは、この講座を受けている大学生の目がとにかくキラキラしていること。これが社会人になると、組織に言われて参加しているせいか、ここまでのキラキラ感がない人が少なくない。新しいものに触れる知的好奇心に溢れた視線が心地よいのです。

 また、今年は、女性の受講が多くかった印象があります。女性性の特徴として共感力が高いことが挙げられます。これは、顧客との関係性を築くのにとても有利。コミュニティを育むビジネスをはじめとして、どんどん起業やイノベーションをしてほしい。

 そんな中で、持ち時間が70分から75分程度という短めではありながらも、ワークショップ型の講座を開催しました。近い未来の日本経済を担う大学生に受講していただくため、とにかくビジネスモデルに興味をもってもらおうと、講座資料も昨年と同じものではなく、あちこちアップデートしました。

 中でも、新しく作ったスライドは、2019年のユニコーン企業について上位4社の説明。これまでの2回は、ユニコーン企業の代表選手であったUberとAirbnb を取り上げていました。しかし、Uberが上場したことから、Airbnb だけではバランスが悪い。そこで、ユニコーン企業の時価総額が上位4社について簡単に紹介することに。

 てな具合で、思い入れが強かったせいか、珍しく時間をオーバーしそうな見込みに陥ります。ボクが残り時間を気にしていたのに気づいた青木教授は、「コメントシートを書く時間は別にとりますので、残り時間をつかって質疑応答にしましょう」とご提案いただきした。有り難いお言葉に甘えて、質疑応答を含めて丸々90分の講座となりました。

 今日の講座のメインは、ビジネスモデル・キャンバスを作成するコーナー。このビジネスモデルの講座がまだ2回目のため、大学生もビジネスモデルを熟知しているワケじゃない。まだまだビジネスモデルに対して、ぼや~とした印象の人も多いでしょう。

 受講者がそんな状態であるにもかかわらず、また、ビジネスモデル・キャンバスを初めて渡されたにもかかわらず、いきなり、実在する企業のビジネスモデルを描いていくのです。もちろん、ボクのファシリテートつきで。

 で。10分後。受講した大学生のすべてが、ビジネスモデル・キャンバスを描けている。今日のブログに掲載した写真が、それ。また、描いた直後には、各自、80秒で実在する企業のビジネスモデルを説明できるようにもなっている。たったの10分で、ですよ。

 毎年、この「ビジネスモデル・キャンバスを描いてみる」体験を行っています。で、毎年、どの大学生も、10分でビジネスモデル・キャンバスを描いています。

 面白いのが、どの皆さんも、そんな凄いことを成し遂げた実感がないこと。気づいたら完成していた、という感じ。むしろ、「えっ、そんな凄いこと、したの?」と不思議顔。このときの「えっ」という表情が楽しくて、毎年、全力で取り組んでいます。

 ただ、残念なのは、ボクの講座を受けた後に、ビジネスモデル・キャンバスを描く機会が得られないこと。こういったものは数稽古なため、とにかく描きまくる経験が大事。なのに、その場が、その機会が、受講した大学生にほとんどないのです。

 ボクがフォローするなら、特定の企業を題材にしたビジネス書に基づいて、ビジネスモデル・キャンバスを描いていく何回かのコースを提供したい。例えば、毎月1回の5回コースとか。

 しかも、ボクは、リード・フォー・アクション読書会の認定ファシリテーターでもあるので、ビジネス書を事前に読み込まなくても済みます。2、3時間ほどの枠をいただければ、ビジネス書からビジネスモデルのエッセンスをつかみ、また、それからビジネスモデル・キャンバスを描き、さらに、それを発表しあうワークショップを提供することができる。

 あとは、開催する場所と、ビジネス書の代金。大学での開催なら、場所は何とかなりそう。すると、問題はビジネス書の代金。学生のため、金銭的な負担はかけさせたくない。どなたか、資金を調達してくれると嬉しいところ。出版社から提供してもらえると、なお、嬉しい。その様子や書籍の感想を宣伝に使うという条件つきなら、受けてくれるかしら。

 せっかくビジネスモデルを教えているので、継続して学習できる仕組みを提供したい。どなたか、良いお知恵やお力をお貸しいただけないでしょうか。未来の日本経済を担う若者のために。ぜひ。

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