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講師の声が大きすぎてBANZAI

(記事にはプロモーションが含まれることがあります。) 

ちょっと想像してみてください。あなたが誰かに話しをしたときのことを。それは、セミナーや研修のような場でも良いですし、何かのスピーチをしている場でも構いません。

 あなたの話しを聞いた人が、2つのポーズをとっています。1つはバンザイのポーズ、もう1つは机に片肘をずっとついたポーズ。もしかすると、バンザイは喜んでいるんだとポジティブな印象を、また、片肘は内容が気に入っていないんだとネガティブな印象を抱くかもしれません。

 でも、これ、あなたの勘違いだったら、どうします。

 まず、バンザイから解説しますね。これについて参考になるのが、マッチこと近藤真彦サンが歌う『ふられてBANZAI』という楽曲。作詞を松本隆サン、作曲が筒美京平サンというゴールデンコンビによる、6枚目のシングル。

 その歌詞は、男の子が付き合っている女の子に振られるシーンを描いたもの。「振られたのに、BANZAIと喜ぶなんて、どういうこと?」と不思議に思うでしょう。そこが勘違い。「万歳」なら喜んでいるのでしょうが、「BANZAI」と英語表記。あえて漢字で表記していないのがミソ。喜びの意味ではないのです。

 この歌の「BANZAI」は、ハンパでナンパな自分を振った女の子に何も言うことができずに、降参している状態を指します。これは、サビが「イカしたおまえにお手あげ」という歌詞で終わるところから読み取れます。もう何もかも終わったことを「BANZAI」と表現しているのです。もっとも、そんな勘違いをあえて誘う広告的な意味も込めているハズ。

 となると、バンザイしているから喜んでいるワケではない。何かを諦めていたり、追い詰められたりと、必ずしも納得はしていないこともあるのです。

 次に、片肘について解説します。これは、先日、ボクが受けた研修の話が参考になります。この研修で片肘をついていたのは、ボク。というのも、左耳を塞ぐときに、講師に気をつかった結果が、このポーズだったのです。

 この研修の講師は、とにかく声が大きい。こういう人、たまにいますよね。やたらめったら声が大きい人。TPOをわきまえずに、常に大きな声。それにもかかわらず、マイクを使って研修を行っているのです。しかも、ボクが座っていた席の左前には、大きなスピーカーが立っている。

 想像してみてください。巨大なスピーカーの前に座って、ただでさえ大きな声をマイクに通して話している研修を。途中から耳が痛くなったので、スピーカーから直接、耳に音が入らないように、左耳を押さえていたのです。

 でも、人差し指で左耳を押さえるのも不自然なため、片肘をつくことで、左あごに左手を沿うように当てた先の左手の中指で抑えていた。2時間もそんな状態。研修の後、6時間経っても違和感が残っていたほど。かなりの重症です。

 このように、片肘をついているからといって、内容が気に入っていないワケではない。内容は知りたいものの、耳に入ってくるボリュームが大きすぎるために、耳を守りたかったのです。あなたの話す内容に対するリアクションは、必ずしもあなたが思う意味ではないということ。

 ひとつ気をつけるとすれば、普段から声が大きいと言われる人。そう頻繁に言われるなら、マイクを使うときには、自ら音量をコントロールする必要があります。声を張り上げないように注意をするとか、マイクを少し離して使うとか、とにかく自分でコントロールする。

 いくら伝えたいことがあっても、あなたの声が大きすぎて耳を塞がれていては、メッセージは届きません。話を聞いている人の中に、片肘をついている人がいたなら、それはあなたの声が大きすぎるのが原因かもしれませんよ。研修の途中で立ち去れない事情があるときには、もうお手上げですから。

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