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7月7日、七夕の誤解をキャリアに活かす

(記事にはプロモーションが含まれることがあります。) 

世間で誤解されているもののひとつに、七夕があります。あと1ヶ月するとやってくる、7月7日の七夕。年に一回だけ、織り姫と彦星が天の川を超えて出会える日。この有名な七夕で誤解が多いのです。

 その織り姫と彦星とが、恋人同士だと勘違いしていませんか。何か大人の事情で引き裂かれた恋人が、年に一度出会えるロマンチックな夜だと思い込んでいる。これは、大きな誤解。織り姫と彦星は、実は、夫婦。この2人の話をカンタンにまとめると、次のとおり。

 独身のときに勤勉だった2人が、結婚して堕落してしまったことで怒りを買ったために、天の川を挟んだ向こう側にそれぞれ置かれた。で、昔のように勤勉に働くなら、年に一回だけは天の川を渡って会っていいよ、という話。だから、2人は恋人ではなく、夫婦なんです。

 この天の川は、東京では七夕の夜に見ることができないって、ご存知でしょうか。「goo天気」というサイトで調べてみると、1961年から2018年までの7月7日の夜が晴れだった日は、58回中、18回。31.0%という割合。あとは、雨と曇り。つまり、3回に2回は、七夕の夜に天の川を見ることができない計算。年に一回だけ会えるというのに、ジャンケンで勝てるくらいの割合なんです。

 ボクがこんな小ネタを知っているのは、本広克行サンが監督された映画『7月7日、晴れ』のおかげ。1996年5月に公開されたフジテレビジョン製作のラブストーリー。その中で、ヒロインの望月ひなたに扮する観月ありさサンが、7月7日が誕生日なのに星を見たことがないと嘆いて、その理由をこう話します。

7月7日って、いつも雨だから

 この何気ないセリフが、その後の行方を暗示させます。つまりは、伏線ということ。まあ、映画のタイトルからして、関係ありそうなセリフ。

 話を戻すと、織り姫と彦星が恋人同士という設定では、7月7日は確率的に晴れる頻度は少なく、3年に一度の頻度でしか会えないことになる。それじゃ寂しいでしょ。だから、ロマンチックな感じで織り姫と彦星に例えてはいけないのです。

 一方、映画のほうは、ロマンチックに進んでいきます。そのストーリーの全編にわたって、DREAMS COME TRUEの楽曲で埋め尽くされます。そう、ドリカム。主題歌は、映画と同名の『7月7日、晴れ』。シングルにはなっていないものの、人気の曲。

 この映画よりも前に公開されたホイチョイ映画でも、ひとりのアーティストの楽曲で通していました。馬場康夫監督の1987年公開の映画『私をスキーに連れてって』は松任谷由実サンの楽曲で埋め尽くされ、また、1989年公開の映画『彼女が水着にきがえたら』はサザンオールスターズや桑田佳祐さんのソロ名義の楽曲で埋め尽くされていました。そのためか、映画『7月7日、晴れ』もホイチョイ映画と勘違いされることはあります。

 しかし、監督は本広克行サンで、映画『踊る大捜査線』シリーズを手掛けた方。決してホイチョイ映画ではありません。ただ、本広監督はホイチョイ映画の伏線の張り方を徹底的に分析したと馬場監督との対談で話していたため、似ていると感じたのかもしれませんね。

 そんな映画をラブストーリーとして観るなら「ああ楽しかった」で終わるでしょうが、キャリアとして見るなら別の感想が得られます。自身の人生というストーリーを何で埋め尽くすか、ということ。

 自分のストーリーに合わないもので埋めてしまうと、思うような進行にはならない。映画『7月7日、晴れ』のようなロマンチックな展開が期待できないのです。

 これに対して、自分のストーリーに合うもの、つまり、好きな時間、好きな場所、好きなことで埋め尽くすことができるなら、幸せなこと、この上ない。

 自分のストーリーに合わないものが多いなら、その人生の監督を見直してみてはいかがでしょうか。その結果、夢も叶えやすくなるハズ。ほら、ドリームズカムトゥルーですから。

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