最近、不思議に思っていること。今の10代の子は、深夜ラジオを聞いているのかどうか。
ボクらの世代は、10代の頃、夜になると、ラジオを聴いていました。だって、考えてご覧なさいな。スマホはもちろんなく、ガラケーもなく、ピッチもなく、ポケベルもない。固定電話しかない時代。
テレビだって、デジタルじゃなく、アナログの時代。CSもBSもない。ボクが住んでいた石川県の金沢では、12時過ぎると、テレビが終わってしまう。ブラウン管の画面には、砂嵐が朝まで映っている。
そんな状況では、夜のメディアとしては、ラジオしかない。しかも、地方では、都会のキー局の放送は、9時くらいから受信できるかどうかの世界。で、オールナイトニッポンの2部になると、だんだんと電波が弱まっていく。ときどき、どこかの国の電波をキャッチしたのか、突然、外国語がラジオから流れてくることもありましたね。
ボクは、そんなラジオ番組から情報を得て、翌週の学校で披露していたものです。「こんな話があるんだけど」「こんなクイズを知っている?」などと、友だちを捕まえては遊んでいました。
こんなに盛り上がる秘訣は、リスナーからの投稿。お題に応じた投稿が、ハガキ職人と呼ばれる常連のリスナーから送られてきます。これを読み上げることで、ラジオ番組のコミュニティの熱が高まっていくのです。
というワケで、今日のブログでは、リスナーからの投稿を読み上げるような形で進行していきたいと思います。お題は、ブログ記事の「10分で大学生がビジネスモデル・キャンバスを描いたあとは」や「大学生から根本的な質問を投げかけられたら」で紹介した、大学生に向けたビジネスモデルの講義。で、投稿は、それを受講した大学生からのコメントシート。
まずは、70分程度の講義であるにもかかわらず、10分程度でビジネスモデルを描けたことについての感動の声。
(ビジネスモデル・キャンバスを)作成する時、・・・(略)・・・、手軽に10分くらいで書くことができたりして良かった。
講義を受ける前は自分がビジネスモデルを考えるなどできないと思っていたが、わずか10分ほどでシートを埋めることができて、とても嬉しかったし、達成感を感じることができた。
まだ粗雑ではあるが、10分でビジネスモデル・キャンバスを完成させることができたのは貴重な体験ではあると思うので、これからも時間を作ってビジネスモデルについて考える時間、企業の取り組みについて調べる時間にしようと思った。
こうして純粋に喜んでもらえるのは、嬉しい。もちろん、これには秘密があります。10分程度でビジネスモデル・キャンバスが描けるように、講義全体をデザインしているため。デザインしたとおりの成果が得られたことは、ファシリテーターとして幸せです。
続いては、ワークショップ型の講義が新鮮だったとの声。1人で考えるよりも、助け合い学習によって効果が高まることを実感した声。
相手の人との意見交換ができたので、自分が思いつかなかったり、感じなかったことを気づくことができた。
今までにない授業のスタイルでとても面白く、2人組で行うことで簡単に意見交換をすることができた。
次にビジネスモデル・キャンバスを自分で実際に考えてみた感想ですが、一見同じ製品を販売しているように見える企業でも、全く違うビジネスモデルであることが気づけるし、1人ではなく、誰かと共有することによって、一つの意見ではなく、他の意見からの気づきがあって、おもしろいなと思いました。
せっかく、ビジネスモデルについて関心のある人たちが集まった場。その場の特性を活かしたい。これも、デザインしたとおりの成果。ファシリテーションの仕方によって、他の人からの気づきを得やすくすることができるのです。
最後は、デザインした以上のコメント。それは、次のとおり。
私自身、起業したいと思っていますので、その際にビジネス・キャンバスを使っていきたいと思います。
これは、嬉しすぎるでしょ~。今回の講義は、ビジネスモデルに関心がある大学生が集まっていることは理解していました。その中には、起業を目指している学生もいるのでしょうが、大半は就職を標榜しているだろうとボクは考えていました。
そうは考えていながらも、このビジネスモデルにまつわるダイナミックな世界に触れたことをきっかけとして、自身でビジネスモデルを描いて実行していく人が生まれたら良いなとも願っていました。それがたった1人であっても。その人の何かに響くものがあるように、講義を構成していた。
で、講義が終わると、起業するときにビジネスモデル・キャンバスを使っていくとのコメントをもらったのです。嬉しいったらありゃしない。講師、いや、ファシリテーター冥利に尽きます。こんなコメントがあるから、講師やファシリテーターはやめられない。
ラジオ番組のパーソナリティも、同じ気持ちなのかもしれませんね。反応があるのは、やっぱり楽しいことであり、また、嬉しいことでもある。
でも、声にあげなくても、心を動かされた人はいます。それは、ラジオ番組のリスナーにも、セミナーや研修の受講者にも。深夜のラジオ番組を聴いていたボクは、一度も投稿したことはありませんが、あの頃の放送が今のボクの一部を作っていることは確か。
それと同じように、セミナーや研修を受講している人にも、コメントやアンケートには詳しくは書かなくても、心を動かされ、また、その後の人生の一部に影響を受けた人もいるでしょう。同じ場にいて、何かしらの想いが届いたということ。それを励みに、ボクはコンテンツをお届けしていきますよ。では、この番組の提供は、、、あなた、ですよね。