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『超魔術の裏技術』からセミナー構成を学ぶ

(記事にはプロモーションが含まれることがあります。)  

せっかく、セミナーや研修の講師を務めても、参加者が何も学んでいない。あなたに講師経験があるのなら、一度は、そう悩んだことがあるかもしれません。

 セミナーや研修の参加者が、受講前よりも変わる、また、受講後にはその学びを活かしている。それが講師としての望み。そのためには、セミナーや研修の内容について、参加者に印象付ける工夫が必要。

 こうした印象付けなら、マジシャンに学ぶのが良い。一流のマジシャンは、言語によるコミュニケーションにも非言語によるコミュニケーションにも長けている。

 実際、マジシャンの中には、そうしたスキルをビジネスやプレゼンテーションに活かすためのビジネス書を書いている人も少なくない。代表的なのは、スティーブ・コーエン氏の『カリスマ手品師(マジシャン)に学ぶ 超一流の心理術』(ディスカヴァー・トゥエンティワン。その後、『マジシャンだけが知っている最強の心理戦略』に改題、再編集されている)。ここで紹介されている内容は、今でもボクのセミナーや研修で活用しています。 

 そんな中、日本の代表的なマジシャンが、2019年8月に本を出しました。それは、Mr.マリック氏による『超魔術の裏技術 – 誰の心でも誘導できる』(ワニブックス)。ボクはMr.マリックのエンタメが大好き。「ハンドパワー」が流行した1980年代の中頃から、ずっと大ファン。 

 で、早速、購入。すると、シンメトリー構造で印象付ける方法が紹介されていたのです。シンメトリーとは、左右対称の意味。つまり、時間軸でいえば、真ん中、その前、その後との関係。それは、マジック界で「3回語れ」と呼ばれる強調法のこと。このように説明されています。

①何を語ろうとしているかを語る(暗示)
②実際に語る(明言)
③何を語ったかを語る(明示)

 セミナーや研修で強い印象が与えられないのは、いきなり内容を語りだすから。それでは、参加者は追いつけません。まずは、これから何をするのか、何を話すのかを説明すべき。その後に、内容に入っていくのです。

 また、多くの人が行っていないのが、3回目の語り。今まで何をしてきたのか、何を説明してきたのかを振り返るのです。

 参加者は、講師ほどには情報がない状態でセミナーや研修を受講しています。一度聞いたくらいで、そのすべてを理解できる訳がない。特に込み入った話なら、なおさらのこと。そこで、今まで何を話してきたのかをざっと説明し直すのです。

 ボクが受講しているビジネス系のセミナーでは、よく、この振り返りを行っています。それまでに映したスライドを適宜、再掲載しながら、話してきた内容をあらためて順を追って説明し直すのです。

 これ、一度、やってみたいと思っていたため、来週末に行う事務所内の研修で初披露します。スライドを見てみると、確かに、この方法は全体の振り返りが短時間でできて良いと感じています。

 このように、セミナーや研修では、3回語るべき。最初に、話そうとしていることを話し、次に、それを話す。最後に、話したことを話す。これによって、断然、聞き手の印象に残りやすくなります。

 意識的にシンメトリー構造にすることで、相手の印象に残りやすくなる。これは、使わない手はない。まさしく、「ハンドパワー」。

 今回のブログで「なるほど」と感じてもらえたなら、それはシンメトリー構造のおかげかもしれません。ちゃんと、3回語る構成としていたのを感じてもらえたでしょうか。こうして聞き手に学びがあると、話し手としては嬉しい限り。一緒に、セミナーのハンドパワーを磨き上げましょう。

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