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マイペースとコールドリーディング

(記事にはプロモーションが含まれることがあります。) 

あなたは、マイペースですか。

 そう聞かれると、反応は2つ。1つは、「そうそう、そんなんだよ」という前のめりな反応。もう1つは、「えー、どうかな」という少し引いた感じの反応。

 ただ、引いた感じの反応の人には、「ほら、こういう投げかけを簡単に信じないという、周りのペースに振り回されない一面がありますよね。そういう意味で、やっぱりマイペースなんですよ」と返されてしまいます。

 どのような反応を見せようが、投げかけに当てはまってしまうのです。

 この間、あるテレビ番組で、人を4つのタイプに分けたうえで、それぞれの性格がこうだと説明されていました。ボクが該当するタイプだと、「マイペース」になったのです。

 人にはいろんな面があります。仕事の顔とプライベートの顔が違う人もいれば、相手によって顔が変わる人もいます。つまり、みんな、何かしらの面もいくつも持っているのです。

 だから、ボクの「マイペース」も、そういう面がないとは言い切れない。これは、他の3つのタイプに該当したときにも同じこと。誰もが、ある局面ではマイペースだったり、マイペースのような状態になったりとするのです。

 そのテレビ番組では、このブログの最初に挙げたくだりはありません。ボクが勝手に展開したもの。結局は、事実ではなく解釈。解釈なら、いくらでも展開できますからね。

 こういう解釈を活用した手法に、「コールドリーディング」があります。相手の振舞いや身につけているものから、「あなたはこうですよね」と投げかけることで、相手が信頼したり安心したりするもの。占い師やメンタリストが活用しているとも言われます。

 ボクは一時期、コールドリーディングに凝っていました。あるとき、飲み会でこれを披露したことで、事務所のメンバーを驚かせたことがあります。かなり的中したようで、「なんで、そこまで分かるのですか」と真顔で聞かれたほど。

 ここまで凝っていたので、他の人が仕掛けるコールドリーディングにも敏感になります。「あっ、今、使ってるな」と仕掛けを見抜くこともあります。

 講演が上手な人やセミナー講師が上手い人は、意識しているかどうかは問わず、コールドリーディング的な手法を活用しています。誰もが当てはまるような言い方をすることで、「この話は私のことだ」と感じてもらうことで、話を聞いてもらえるようにするのです。

 先日、コールドリーディング的な手法が上手な人が珍しくテレビ番組に出演されるというので、さっそくチェックしてみました。あるテーマについて話を振られると、いつものように誰もが当てはまるような話し方で説明し始めます。

 しかし、そこは、テレビ番組という場。いつものような、その人しか壇上に立っていない場とは違います。割り当てられる時間も短い中で、回答するとともに、キャラも出していかなくてはならない。周りも、クセのある出演者だらけ。

 いつもと異なる環境のせいか、その方の持ち味が活かされていませんでした。やはりテレビ番組では、少し変であっても、クセの強い主張やキャラが立っている主張の方が合っていると痛感しました。

 かの世界的なマーケッターのダン・ケネディは、メッセージとマーケットとメディアの3つを整合させるべきと説きました。今回の例では、テレビ番組というメディアには、いつものようなメッセージが合っていない。それは、お一人での壇上や、それを求めるマーケットの前で行うべきこと。

 そう考えると、テレビ番組への出演は難しい面がありますね。とてもマイペースじゃいられない。あなたは、マイペースですか。

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