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パネルディスカッションは、小論文の作法で

(記事にはプロモーションが含まれることがあります。)  

 先日、参加したセミナーで、パネルディスカッションの時間がありました。その前に登壇した方に加えて、登壇していないけれども関連する人も加えて、あるテーマについて話し合います。

 こうしたパネルディスカッションでは、パネリストの性格が現れます。残り時間や一人当たりの持ち時間を気にせずにダラダラ話し続ける人がいれば、ポイントだけを簡潔に話す人もいます。また、テーマから外れたコメントをする人もいれば、求められたお題以上に実りのある回答をする人もいます。

 パネリストの回答をみていると、小論文の作法を身につけているかどうかが丸わかりになります。ボクが参加したセミナーでも、小論文の作法としてパネラーを冷静に評価していましたし。

 

 というのも、つい最近、小論文の書き方を指南した本を読んだから。これは、ビジネス書ではなく、大学受験用の本。普段なら立ち寄らない書店のコーナーで、お目当ての本を探して買いました。

 その本は、『何を書けばいいかわからない人のための 小論文のオキテ55』(KADOKAWA/中経出版)。著者は、大学受験予備校での講師を経て、現在はビジネスパーソンにもライティングを指導している鈴木鋭智サン。あるメルマガで、この著者がビジネスパーソン向けにセミナーを開催すると聞いて関心を持ったため、本を探しました。

 

 小論文のオキテを名乗るくらいあって、すごいノウハウ。ボクも大学受験を控えていた頃に読みた方と思いましたよ。逆に、この本を読んだから、当時、小論文の試験で失敗した理由が痛いほどに理解できました。

 といっても、奇をてらったノウハウではありません。ライティングに関する王道を説いています。小論文の問題には出題意図があるため、それを理解すべきと言います。これは、小論文に限らず、ライティングの局面では必須のプロセス。

 また、小論文の問題では意見を求められるケースがあります。そのときには、単なる感想ではなく、相手にメリットがあるような提案をすることが大事だとも説明します。これも、ライティングの極めて重要なポイント。読み手に読む意味がなければ、それを読む必要がありませんからね。

 

 さらに、小論文の出題パータンを分類化しています。出題の性格として、漠然とした投げかけのときもあれば、具体的な投げかけもあります。具体的といっても、説明でとどまっていることもあれば、提案までしていることもある。その提案も、ひとつだけの意見のときもあれば、対立している意見を並べるときもあります。こうした出題パータンに応じた小論文の書き方を解説しているのです。

 これ、パネルディスカッションでも十分に使えるノウハウ。パネルディスカッションでは、漠然としたテーマや質問が投げかけられるときがあります。具体的な投げかけでも、事実や状況だけが示されるときもあれば、意見が述べられるときもある。その意見も、ひとつのときもあれば、賛否を問うときもある。

 ね、小論文の作法が、パネルディスカッションにおける応答にもそのまま使えるのです。この作法を身につければ、パネルディスカッションでも的確、かつ、聞き手も納得する返答ができるようになるのです。これはもう、ビジネスパーソン必見のスキル。

 

 こんなノウハウを最近、知ったものだから、パネルディスカッションの応答をこれで評価することができます。大学受験生の回答を採点する大学教授のように、パネリストの返答の出来、不出来をチェックしました。

 例えば、「今は賛否を問われているのだから、どちらかの立場を示さないと」や「漠然とした投げかけだから、自分で具体化して返答しないと」というように。このように、小論文の作法はパネリストの評価にも使えます。

 なんて偉そうなことを言いながら、ボクも3週間近く前に、所属する事務所の研修でパネリストとして登壇したときには、そんな返答はできませんでした。どうすべきかの作法を知らないため、その場の流れで受け答えしていました。

 

 しかし、いざ小論文の作法を知ってしまうと、それではダメなことがよく理解できます。この本で紹介されているノウハウを使ったほうが、はるかに参加者の満足度を高められます。大学受験に合格できるほどのノウハウですからね。

 このノウハウは、パネルディスカッションだけではなく、通常の会議でも使えます。コメントを求められる局面で有益な方法論です。ビジネスパーソンなら、知っておいたほうが良いですよ、ここだけの話。

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