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本棚から理解できる、東証の市場区分の変更

(記事にはプロモーションが含まれることがあります。) 

今日は、たまに訪れる本屋さんに足を運びました。近いうちに、京都へ旅行を予定しているため。とあるウイルスを巡って騒がれているものの、とある情報を聞いて問題ないと判断して実行することに。

 ただ、京都はほぼ知らないといって良い状態。訪れることはあっても、それは仕事に関連しているため、あまりブラブラとする時間はありません。基本、駅と目的地との間を往復するだけ。街の様子がさっぱり頭に入っていない。

 それ以外に京都の街を歩いた記憶は、中学の修学旅行まで遡ります。複数人で名所をいくつか回った記憶はありますが、金閣寺は文字どおりゴールドの色であったのに対して、銀閣寺はシルバーではなくブラックだったという程度。あとは、ほぼ忘れています。

 飲食店についても、自分の足で辿り着けるのは、片手で余るくらいの数しか知らない。せっかく純粋なプライベートで京都に行くのだから、もっと他の選択肢を広げたいところ。

 とあるアプリを使えば、京都の飲食店情報を手にできます。出張で行くときには宿の近くで探すため、あまり苦労しません。しかし、プライベートのため、行動範囲は広い。土地勘がない中では、旅行で訪れる場所と飲食店とが近いのかどうかがすぐに分からない。

 東京で例えるなら、お台場を巡るのに、夜ご飯のお店を三軒茶屋で探していないか、という心配がつきまとうのです。もちろん、アプリは地図と連携しているものの、ワンクリックが必要。この手間をかけない状態では、移動に関する不便さがイメージできない。

 そんな心配について、今日、訪れた書店はお見事。まず、地図と流行に関するコーナーがひと塊となっている。次に、京都に関する本を集めた棚が2列も用意されている。このように、目的にすぐにたどり着き、また、必要な情報がカンタンに選べる状態になっていたのです。

 おかげで、街歩き用の本と飲食店に特化した本の2冊を購入。書店に到着して本の購入までの間の時間は、10分程度。これも、本の並べ方のコンセプトが明確なため、本を買いたいお客さんにとって利便性が高かったため。

 こうした買い物を通じて、「あれ、これ、東京証券取引所がリリースした市場構造の在り方等の見直しと同じだ」と感じました。それは、2020年2月21日付けの『新市場区分の概要等について』という発表のこと。

 現在、東証の市場区分は、市場第一部・市場第二部・マザーズ・JASDAQ(スタンダード及びグロース)の5つ。これを、「プライム市場」「スタンダード市場」「グロース市場」(いずれも仮称)の3つへと見直しすると発表しました。
この市場区分の変更のきっかけとなったのは、2019年12月27日に、金融審議会の市場構造専門グループがリリースした「市場構造専門グループ報告書―令和時代における企業と投資家のための新たな市場に向けて―」。ここで市場区分を3つにすることが提案されたから。

 この提案の背景には、現在の市場構造を巡るいくつかの課題に対処する目的があります。その課題のひとつが、5つの市場区分のコンセプトが曖昧なために、多くの投資家にとって利便性が低いとの指摘があったから。

 そこで、上場銘柄の特性に応じた複数の市場区分を設けることが提案されました。明確なコンセプトに基づいた制度に再設計すると、3つの市場区分への再編が適当だと。ほら、まるでボクが今日訪れた本屋さんのよう。

 本も上場株式も、その存在が知られるためには、情報の流れをより良くすべき。ユーザーの観点でいえば、アクセスしやすいことに他ならない。探したい情報にたどり着き、欲しい情報が得られる状態こそベスト。

 この市場区分の変更を成功させるためには、関係者が一丸となる必要があります。誰かがやれば良いという受け身のスタンスではなく、それぞれの立場でマネーがより良く回る状態を創り出すために主体的に動くスタンスが大事。

 ボクも公認会計士の立場から資本市場に関わっているため、今回の市場区分の変更の成功をその立場から応援していきたい。そのためにすべきことに取り組んでいきます。

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