こんにちは。久しぶりのブログ更新です。2020年3月24日に投稿した『2週間ほど、ブログの更新が滞るかも』以来のこと。といっても、そのタイトルで宣言したとおり。
その間、いろんなことがありました。プライベートなことでも、ビジネスのことでも。社会的な観点からは、昨日の2020年4月7日に発令された緊急事態宣言。そう、新型コロナウイルス感染症の拡大防止のため。
東京都をはじめとした7都府県に対して、外出の自粛を呼びかけました。上場企業の中には、対象地域における拠点への出社を厳しく禁止している会社もあれば、リモートワークをより推し進める会社もあります。
ところが、すべての会社がそのような対応で動いているとは限らない。相変わらず出社を続けている会社もあるようです。Twitterを見ていると、おそらく上場企業あるいはグループ企業の方々が、緊急事態宣言とはいっても決算作業があるから経理は休めない、という旨のツイートがあります。
このように、決算で経理の方々が出社する原因のひとつに、責任感が強いことが挙げられると考えています。
ボクの経験に照らせば、規則、規定に従って仕事を遂行していく部署という性質からか、決められた期限に然るべき成果物を仕上げることに使命を感じている方が多い。そのために、緊急事態宣言が発令されたとしも、決算は止められないという思いで出社している会社もあるのかもしれません。たとえ、経営者が止めていたとしても。
しかし、別の原因として、その経営者が決算発表を延ばせないと思い込んでいるがゆえに、経理の方々が生命の危険を感じているにも関わらず、「無理するなよ」程度で済まして無理に出社させて決算を進めようとしているケースもあるかもしれません。
何の根拠もない、勝手な想像です。ただ、Twitterのツイートを見る限り、そんな悲痛な叫びをボクは感じ取らざるを得ないのです。そんな妄想にお付き合いいただける方に限り、続きをご覧ください。
もしも、経営者がそのように考えているとしたら、その会社は早晩、失速する可能性があります。なぜなら、次の2つの理由から。
1点目は、IT環境として。例えば、リモートワークに対応していないがために、まだ出社させ続けている可能性が挙げられます。IT化に遅れているために、リモートワークに移行したくても移行できないのです。
今回の新型コロナウイルスで明確になったのは、出社できない状況にも備えなければならないこと。その環境が整っていなければ、企業の継続的な活動に支障が生じるのです。BCP(事業継続計画)的にアウトなことが露呈してしまったのです。
ただ、これは今回を機に、いち早く対応すれば良いこと。後手に回った感は否めませんが、IT環境をできる限り整えることで組織の失速を軽減あるいは防止することができるかもしれません。
2点目は、経営者の姿勢として。例えば、命を守ることを最優先することなく、決算や営業などを重視した振舞いが挙げられます。
緊急事態宣言という初めての出来事が起きているにも関わらず、相変わらず経理に出社を求めて作業させているとすると、命を軽視していることに等しい。モノのよう、駒のように、歯車のように。今、起きている事態をあまりにも理解できていない。それでは、経理が離れていきます。
実際、決算発表を延期している企業も出てきています。何も、自社だけが決算発表を遅らせるワケではない。東京証券取引所も45日以内に開示する慣行にとらわれないよう注意喚起もしています。
緊急事態宣言が出ている下でも従来と同じように決算発表を行った会社に対しては、東京証券取引所は、経営者が命を軽視していないかどうかについて、厳しくチェックしたほうが良い。もちろん、然るべき体制が出来ているなら話は別ですが、そこは経営者の姿勢、資質として問い詰めて欲しい。社外役員にも期待しているところ。
で、経理パーソンに話を戻すと、経理ができる人、特に上場企業で経験がある人は、世の中で圧倒的に少ないことから、流動性が高い存在。つまり、転職しやすいことを意味しています。そのように貴重なスキルや経験を有していることを知らずに、駒のように扱うと、優秀な経理パーソンほど他に移ってしまっても仕方がない。
むしろ、命を軽視するような経営者の元から今すぐにでも出ていったほうが良い。それは経理に限らず、他の部門の人も同じ。こんな状況で命より数字を重視した行動を見せたなら、別のキャリアを歩む絶好のチャンスです。
仮に今をしのいだとしても、命を軽視する経営者からは、人が離れていくのは至極当然のこと。真面目なことも大事ですが、自身の命を守ることを最優先すべきです。そういう経営者を淘汰するためにも、あなたの意思表明は大きな意味を持っています。