Business model

イケている管理部門の見分け方

(記事にはプロモーションが含まれることがあります。) 

ウチの会社の管理部門がイケているかどうかの見分け方。管理部門と聞いて思い出すのは、総務や人事かもしれませんし、経理や財務かもしれません。あるいは、情報管理といった部門かもしれません。

 これらの管理部門をとかく軽視する経営者がいますよね。ボクから言わせると、それは経営者が、管理部門がどう機能しているかを知らないだけ。無知なのに知っていると思い込んでいるだけなのです。だから、コストをかけるのが無駄だと勘違いしてしまう。

 つい最近、ボクは管理部門に関連したリモート会議に、2つ、出席しました。1つはイケていない管理部門の会議で、もう1つはイケてる管理部門の会議。

 イケていない管理部門の会議では、とにかく目先のことをやり過ごそうとする発想で事にあたります。経営者からの命令を実行することだけが目的となっています。

 このような行動のため、実行はできても経営者が期待した成果が得られない。得られたとしても瞬間で終わってしまうため、その後に問題を増やしてしまう。経営者からすると、「一体、どうなっているんだ」と首をかしげるばかり。

 一方、イケている管理部門の会議では、全体を俯瞰した検討を行います。目先の導入は当然のこととして、それに付随して手を売っておかなければならない事項も多方面かつ事前に潰し込んでいく。

 導入しようとすることについて、どんなヒトやモノ、情報を使えば良いかを徹底的に比較検討します。安易に決めることはありません。自分の部門に直接関係しないことであっても情報収集に抜かりはない。

 また、導入しようとすることについて、何を実行すべきかを慎重に判断していきます。会社法や税法、労働法など遵守すべき法令もあれば、内規などにも配慮すべきこともあります。実行すべき大事なことが漏れないよう、十分に手当されるのです。

 さらに、導入しようとすることについて誰と手を組むかについても、最も効果的な相手を選択していきます。社内や企業グループの人や部署であったり、社外のパートナーであったりと、円滑な運営に必要となる相手を見つけ出し、かつ、上手に巻き込んでいく。

 そのため、極めてスムーズに導入でき、また、その後も当たり前のように実行できているのです。このように、何かを始めるときにスムーズに事が運ぶのなら、その管理部門はイケています。何事もなく運営されているものがあるなら、その管理部門に感謝したほうが良い。

 こうした管理部門の人材は、マインドも高く、スキルもあり、ツールも使いこなせます。それは自分でできなくても、できる人を確保してきます。もちろん、支払う給料だって高くなります。安く使う会社にいる必要がないからです。

 本来支払うべき、もしくは、イケている会社が支払っている金額を惜しむと、それなりの価値しか手にできない。そのしっぺ返しは社内の混乱という形で必ず訪れます。

 管理部門に支払う給料は、費やしてなくなるコストではなくて、円滑に運営していくための投資。そもそも投資を行っていなければ、リターンを得られないのは当たり前のこと。

 そうは言いながらも、高い給料を払えば良いってものでもない。何か資格を持っているからといって、その肩書きだけに釣られて採用しても、会社は高額の給料を払いながら、シッチャカメッチャカになるだけ。

 これは、投資に対するリターンの割合。同じ投資でも、リターンが大きなものもあれば、小さなものもある。いわゆる、ROI(Return On Investment)の話。

 それを見極められるかどうかは、経営者によります。イケている管理部門がいる会社では、経営者もイケている。必要な投資が行えるか、また、投資から得られるリターンをどう大きくするかは、ビジネスそのものですからね。

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